第5章 vs大王様
翌日
烏野バレー部の練習が終わり、いつもだったら大地と一緒にのんびり帰るんだけど
今日は及川さんとの約束があるから急いで帰る事にする
男子の部室の前まで行って大きな声で話す
『今日はお疲れ様でした!大地!私今日出掛ける予定あるから先帰るね〜!』
要件だけ伝えて走って帰る
私が帰った後に
用事?!そんな事今まであったか?!
まさか?!男?!
と更衣室内が騒がしくなった事を私は知らない
さすがにジャージでは行けないと思い
家に帰って急いで用意していた白いワンピースに着替える
日曜日なので仕事が休みのお兄ちゃんに声をかける
『お兄ちゃん!お出かけしてくるね〜行ってきます!』
「いってらっしゃーい!気をつけてね!声かけられてもついていったらダメだよ?!ていうか!そんな可愛い格好して誰と出掛けるの?!まさか男?!彼氏?!心配だからついて行こうかっ?!」
お兄ちゃんが何か騒いでいるので笑って手を振る
『大丈夫だよ〜!私もう高校生だから心配しないで〜!ちゃんと帰りは連絡するからね!』
お兄ちゃんも大地も
私の周りはなぜか心配性な人が多い
お兄ちゃんはいつもの事だから気にせず家を出る
青葉城西高校と書かれた校門の前
時間も気にせずに来ちゃったけど‥まぁ校門で待ってたらいいか!
及川さんが出て来るのを待っていると
他の運動部の人達だろうか?
校舎から出てきたジャージ姿の人達に声を掛けられる
「もしかして烏野高校の白石さんだよね?!」
「バレー部の試合見に行った時に白石さん見かけてうちの高校でも超可愛いって有名だったんだよ〜!」
あっという間に数人の男の人達に囲まれる
『初めまして!あのっ‥バレー部ってまだですか?』
「バレー部?そういえば練習試合してたっぽいけどそろそろ終わるんじゃないかな?ねぇ!そんな事より今から俺らと出掛けない?!」
ワイワイとノリのいい人達に手を掴まれる
『あのっ‥お出掛け誘ってくれたのに申し訳ないんですけど‥』
そのまま連れていかれそうになるので慌てて声をあげるけど誰も聞いていない
どうしよう
焦っていると聞き覚えのある声
「花澄ちゃん!?大丈夫?!」
及川さんの声が聞こえてホッとする