第5章 vs大王様
大地side
作戦会議を終えて今日も花澄と一緒に帰る
部活が終わったら
こうやって花澄と一緒に帰る事もなくなるんだな‥
一緒に過ごせる時間が一気に減ってしまうと思うと急に寂しくなった
「なおも朝から色々頑張ってくれたみたいでありがとな!」
頭を撫でる
知られていないと思ってたみたいで急に焦り出す様子がまた可愛かった
本当何事にも一生懸命で素直だから見てて飽きないんだよな
「ほんと、いつも俺たちの為に一生懸命頑張ってくれて感謝してる!あと少し宜しくな!」
心からの感謝の気持ちを伝えると急に抱きついてくるもんだから心臓がバクバクと騒ぎ出す
大きな胸が俺に密着する
ヤバい‥反応するなよ‥俺!
ポロポロと涙をこぼしながら花澄が話すからなんとか理性をかき集めて答える
「最高の一年にしような?頼りにしてるぞ、烏野の最強マネージャー?」
抱きついたまま見上げてくる顔がまた可愛すぎて気が遠くなりそうだった
泣いたからほんのり赤くなった鼻の先
濡れた長いまつ毛 うるんだ大きな瞳
どうしても花澄は背が低いから上目遣いになるんだろうけど、こんな顔本当に誰にも見せたくない
抱きつくなんて尚更嫌だ
俺の独占欲が顔を出す
「よしよし!それと、こんな事するのは好きな人だけにしなさいよ?」
俺だから我慢できてるようなものの
抱きつかれなんかしたら男はどうなるかお前はもっと危機感を持ってほしい
『大地は好きな人だよ??』
でた‥また不意打ちのこれ‥
ドキッとまた一瞬勘違いしそうになる
花澄はこうやって純粋に皆んなへ好きの気持ちを伝える
「そういうのが男を誤解させるんだよ」
と伝えてもいつものようにキョトンとした顔でこちらをみている
あぁ‥本当にこの子は大丈夫だろうか?
今まで無事なのが奇跡じゃないだろうか??
多分‥俺が知る限りでは彼氏ができた事はないはずだ
頭を押さえる
「とにかく!!俺以外にはこんな事するなよ?じゃあまた部活でな?」
頼むから俺以外の男に可愛いところを見せないでほしい
そんな俺の気持ちを微塵も気付いていないであろう朗らかな笑顔で手を大きく振っている
『うん!!!またね!!!』
あぁ
もう好きだって言ってしまいたい