第4章 最強の味方と新たな仲間
いよいよ試合が始まる
大地や月島君、山口君にももちろん頑張って欲しいけど
毎日一緒に頑張ってきたこの2人に勝って欲しかった
そしてまた影山君のセッターとして活躍するところをみたいと思った
心臓がドキドキと音を立てて
手を握りしめながら試合の行方を見守る
日向君に影山君のトスが上がる
行ける!!と思っても背の高い月島君が立ちはだかる
影山君のとっても早いサーブも
大地の安定したレシーブが待ち受ける
龍のスパイクはちょこちょこ決まっているけれど
日向君のスパイクが決まらない
がんばれがんばれっ‥
ギュッと目を瞑り手を握りしめていると
突然手を握られてハッと目を開けた
「そんなに強く握りしめたら爪が食い込んで血がでちゃうよ〜!」
隣で一緒にみていた菅原さんが笑いかけてくれる
『スガさんっ‥なんだか2人のあれだけ頑張ってた姿みてきたから胸がいっぱいで‥』
「うん‥そうだよな‥俺ちょっと行って来るから花澄ちゃんはちょっとここで待ってて?」
いつものようにぽんぽんと頭を優しく撫でて
菅原さんがボールを拾いながら影山君達の方へ近付いていく
「なんかうまいこと使ってやれんじゃないの?!」
「ズバ抜けたセンスとボールコントロール!そんで何より、、、敵ブロックの動きを冷静に見極める目と判断力!!
‥俺には 全部無いものだ」
少し伏目がちに菅原さんが話すから居ても立っても居られなくなって私はコートへ駆け寄る
菅原さんと過ごした日々は2年間だけど
とっても努力してるのも知ってるし
皆から信頼されてすごいセッターだって知ってる
『そんな!!スガさんはそんな事ないです!!だって‥!』
少し泣きそうになり話すと大地の大きな手が私の頭を撫でる
「花澄の気持ちは分かるよ。でも一回聞いとくべ?」
『っ‥』
とぼとぼと元いた位置へ戻っていく
菅原さんが続ける
「技術があってヤル気もありすぎるくらいあって 何より‥〝周りを見る優れた目″を持ってるお前に 仲間のことが見えないはずがない!!」
影山くんが何かに気付いて考え込む
菅原さんがこちらに帰って来る
「な〜に目うるうるさせちゃってんの?!」