第16章 体育祭本番
菅原side
普段から所作は綺麗だったけど
白い手袋をはめた指先の動きまで綺麗で気付けばあっという間に応援団の演目が終了した
終わった途端にパチパチとまばらになりだした拍手が大歓声になり皆立ち上がる
「すっげぇ可愛かったですっ!もうっ!俺っ‥」
「「ストォーーーップ!!」」
着替える為に歩き出した花澄ちゃんに他校の男子達が話しかけに行くと早速バレー部セキュリティが発動した
田中と西谷が威嚇するように立ちはだかり
「うちの部員がすみませんね」
大地は自分の後ろに花澄ちゃんを隠しながら
目が笑っていないいつものスマイルを繰り出して
月島の冷たい視線と影山の明らかに不機嫌な視線がむけられる
旭はおろおろと立っているだけで威圧感がある
「花澄ちゃん!俺の為に応援してくれてありがとうなー」
セキュリティの一員となる為俺も花澄ちゃんの肩に手を回す
『スガさんっ!一番前でみてくれてありがとうございました!』
激しい動きの後で顔を真っ赤にしたままにっこりと笑う
あまりにも可愛くて膝から崩れ落ちそうだわ俺
「花澄ちゃんこの後パン食い競争でるんだよね‥?頑張ってね」
『はいっ!がんばりますっ!』
まぁそんなこんなで
ばっちりと他の男達への防御が成功して得意げな顔をした俺たちの横を清水が軽く笑って通り過ぎて行った
そう
この後の最大の難関
パン食い競争
「出来るだけっ‥誰からも見られないように頑張って‥!!」
ガシッと両肩を掴むとぽかんとした顔をして首を傾げる
『が‥がんばります‥っ!』
パン食い競争なんて
エロすぎるに決まってる
花澄ちゃんと分かれた後も悶々としていると遂に2年の順番がやってきてしまった
「田中‥西谷‥‥頼んだぞ‥」
個人の競技であの2人がどうする事も出来ないのは分かりながらも手を合わせる
そうこうしているうちにスタートラインに花澄ちゃんが並ぶ
後ろ手にロープで結ばれた手首
胸がより強調されて
「ぁぁあっ‥‥すでに18禁‥‥」
隣で大地も頭を抱える