第16章 体育祭本番
菅原side
宣言通り最前列を無事ゲット
どこから情報が漏れ出たのか
今年は花澄ちゃんが応援団にでると噂が回ったみたいで
周囲に本気のカメラを構えた男達で溢れていた
そして大地の号令で応援団達がグラウンドに整列した
「やっべ‥‥あれが噂の‥」
背が低い花澄ちゃんが最前列に並ぶと周りがざわざわとどよめきだした
応援団の衣装は露出が多い
白くて綺麗な鎖骨
さらしを巻いても目立つ大きな胸にくびれたウエスト
ハチマキを頭に巻いて
長い羽織がひらりと風に揺れる
俺を見つけてにっこりと笑うと少し八重歯の可愛い白い歯がみえる
まるでアイドルのコンサートでも見にきたかと思うほどの可愛さ
動くたびにシャッター音が鳴り響く
「これ普通の高校にいていいレベルじゃねぇべ‥」
太鼓の合図に合わせて拳を前に突き出して
応援団達が華麗にグラウンドを舞う
俺の事を応援するなんて可愛い事言ってた花澄ちゃんとばっちりと目があうと
またあの満面の太陽みたいなキラキラした笑顔で俺のことを指差した
「くっ‥‥‥生きててよかった‥‥」
「スガ‥?大丈夫か?」
あまりの可愛さに息が詰まるとクラスメイトが心配そうに声をかけてくる
「キャーー!!みた?!いまの?!可愛過ぎじゃない?!」
「今の絶対俺のこと指差したよな?!」
「なにあれ‥可愛すぎかよ‥‥何千年に一度の逸材だよ‥」
自分に指をさしてもらったと勘違いした奴らが花澄ちゃんの破壊的な可愛さに打ちのめされていた
応援団の舞は皆んなが想像している以上に激しくて
俺も一年と二年の時に参加した時には中々苦戦した
それでも小さな身体ではぁはぁと息を切らしながらも完璧に踊っている
花澄ちゃんがダンスとかそういうのが苦手な事は知ってたから
どれだけ努力したのかと思うとなんか胸が熱くなる
「こんなん見せられたら‥‥頑張るしかねぇべ」
気付けばギュッと握りしめていたこぶしがジンジンと痺れている
「それに‥意外と真面目にやってんじゃん」
あんなに嫌そうな顔をしていた月島も真面目な顔して
長身も相まって結構様になっていた