第16章 体育祭本番
影山side
準備運動をしている視界の端で
ぴょんぴょんと嬉しそうに跳ねる花澄さんの姿が見える
清水先輩は断ったようだけど
なぜか花澄さんは女バレのユニフォームをきている
あまりに可愛すぎてついチラチラと盗み見していると月島に話しかけられる
「その見方変態っぽいからやめといた方がイイんじゃない?」
「うっせぇ‥お前だって見てるだろーが‥」
ショートパンツからは柔らかそうな太腿がみえていて
ぴったりとしたノースリーブのユニフォームを着て跳ねるもんだから
大きな胸が上下に激しく揺れていて
周りの男たちの顔が赤くなる
それに花澄さん目当てに来たと思われる男達が走ってる奴らそっちのけでこちらに向けてカメラを構えている
『わぁ〜っ!夕もはやいっ!!すごいすごいっ!次影山くんだよね?頑張ってね〜!』
カメラを構えた男達を睨みつけていると隣に花澄さんが来ていた
「うスっ!頑張ります」
いつもよりもさらに高い位置で結われた髪が太陽光に透けてキラキラと輝いている
日焼けでほんのりと赤くなった頬と鼻の先
『応援してるねっ!』
ふわふわと太陽にも負けないくらいの眩しい笑顔を直視出来なくて目を逸らす
「影山ぁーーーーっ!託したぞーーーっ!」
コーナーを曲がりながら叫ぶ西谷さんの襷を受け取る為レーンに入る
隣には陸上部の奴らも並ぶ
でも俺はこいつらには負けられない
だって体育祭は
部活以外で花澄さんに良いところを見せられるチャンスだから
ふぅ‥と深呼吸をついて位置につく
「影山ぁーーーっ!イケーーーー!!」
『がんばれ〜!!影山くーんっ!』
先輩達の声援を背中に受けながら襷を西谷先輩から受け取って走り出す
いつもよりも身体が軽い
足が早く回る感覚
前にいた他の部活の奴らも追い越して
ついにトップにおどりだす
ちらりと皆んなをみると相変わらず嬉しそうにぴょんぴょんと飛び跳ねる姿
可愛すぎる花澄さんの横から気怠そうにレーンに並び始める月島
「月島‥っ‥頼んだぞ‥っ」
お前だって花澄さんにいいところをみせたいはずだ