第15章 *烏野高校体育祭
『はぁっ‥つかれたっ‥』
激しい動きに息が上がる
それに‥さらしをキツく巻いた胸がやっぱり苦しくてさらに呼吸が乱れてしまう
「苦しそうですけど大丈夫ですか?」
ふと顔をあげると月島くんが私の顔を覗き込んでいて
その後ろでは相変わらず夕と龍、日向くんと影山くん達が何か騒いでいた
『うんっ‥大丈夫っ‥すぐ落ち着くはずだから‥』
「‥本当ですか?」
『っ‥実は‥ちょっと衣装が‥苦しいかもっ‥でも‥ほんとに大丈夫だから‥』
私の目を真っ直ぐにみる月島くんに嘘をつき通せなくて
正直に話してみる
「ちょっとこっち来てください‥」
『えっ?!どこ‥いくの‥?月島くんっ‥』
ぐいっと手首を引っ張られて校舎へと戻ると
無人になった保健室へと連れ込まれる
そのままベッドの上に押し倒されて
月島くんがカーテンをシャッと閉めた
「苦しいなら解いた方がいいですよね‥?」
『え‥?』
ぎし‥とベッドが軋む音がして私の上に覆い被さるとキツく巻いたさらしをゆっくりと解いていく
『‥えっ?!待って‥!!この下は何も着けてないの‥っ!』
苦しさから解放された胸からはらりと解けていくさらしを慌てて手繰り寄せる
「やっぱり‥ここにも痕がある‥」
『〜っ』
白い手袋をつけたままの長い指がそっと胸元を撫でる
「急に雰囲気が変わったと思ったら‥誰にこの身体許したんですか?」
さっきよりもさらに低くなった声にびくりと身体が反応する
『身体‥ゆるす‥っ?』
「他の奴に奪われないでくださいって合宿の時に僕言いましたよね?」
『ひゃっ‥待って月島くんっ‥誰かくるかもっ‥』
廊下からは応援団の人達なのか笑い声や通り過ぎていく足音が聞こえてくる
「放課後は保健の先生は帰ってるから大丈夫ですよ‥万が一誰か入ってきてもカーテンが閉まってるから見えません」
『で‥でも‥っ』
覆い被さったままぐいっと顔が近づいてきて
唇が重なってしまいそうで心臓がドキドキと音を立てる
「これをつけたのは誰ですか‥?」
目もそらせないほどの近い距離
『これ‥は‥たぶん‥及川さん‥』