第15章 *烏野高校体育祭
澤村side
先生と話している花澄をちらりと横目で見る
本当に
よくここまで頑張ったよなぁ‥
急遽入る事になった応援団
最初から練習してる俺たちでもなかなか大変だったってのに
忙しい部活の合間をぬって家でもいっぱい練習したんだろうな
小さな身体で大きく舞う花澄は本当に綺麗だった
衣装も本当に似合ってるし
正直誰にも見せたくないくらい可愛い
はぁはぁと顔を赤くして呼吸を乱す姿に土曜日の事を思い出して身体が熱くなる
「花澄っ‥「澤村ー!最後に打ち合わせしときたいとこあるんだけどいい?」
声をかけようとして他の3年生に呼び止められる
「おー!今行く!」
手袋を外しながら歩いて行く背後で
西谷や田中
一年生に囲まれている花澄
「体育祭当日!うちの天使を何としてでも守り抜くぞお前ら!」
「はいっ!」
「他の男を近付けるな!カメラをむけるやつがいればどうにかして邪魔をしろ!」
「了解しましたっ!頑張りますっ!」
「良い返事だ日向っ!」
あの可愛すぎる花澄の事が心配で堪らないけど
こいつらがいれば何とかなるかもしれない
ついふっと吹き出してしまう
「バレー部のマネちゃん、澤村の幼馴染なんだってな!」
「え?あぁ‥そうだよ!」
「可愛い子だから有名だし俺も知ってたけどさ、ほんと良い子だな〜!頑張り屋だし、一生懸命だし!惚れるよなぁ〜あれは」
ほんのりと頬を染めながら花澄をみる同級生
ほら
またこうやってすぐに無自覚に人を惚れさせるんだから
それにしても
影山はもちろんだけど
月島の様子が少し気になる
何かを深く考えるようにしたあと花澄に何か話しかけて
2人で歩いていってしまった
打ち合わせのために校舎まで入ってきた俺たちには何を話しているかはさっぱり分からなかった
胸がまたざわざわと騒ぎ出す
月島の事だけじゃない
及川とは何もなかっただろうか?
あれから影山とは?
スガん家に行った時は?
とにかく‥打ち合わせが終わったらすぐに探しに行こう