第13章 *それぞれの初めて
『んっ‥頭いたい‥‥‥』
初めて感じるような
重たいズキズキとした痛みを感じながらもそもそと身体を動かす
『なんか‥身体も‥』
激しい運動をしたあとのような気怠い重さを全身に感じる
『‥なんでこんなに身体おもいんだろ‥‥‥っ?!えっ?!』
ゆっくりと重たい瞼を擦りながら目を開けると
目の前に大地がいて飛び起きる
『‥っ?!大地‥な‥なんで‥ふ‥服っ‥私も着てないっ‥?!』
ガバッと布団から出ると
ズボンしか身につけていない大地が少し寒そうに身体を丸めて眠っている
横を見ると乱雑に脱ぎ捨てられた大地の服と
昨日影山君のお姉さんにもらったワンピースが落ちていた
昨日は‥影山君のお家に遊びに行って‥
それで‥
思い出すと全身がカッと熱くなる
『そ‥それはいったんおいといて‥』
影山君と別れたあと
そういえばお兄ちゃんに迎えにきてもらって‥
それで‥
熱くなって‥ふわふわして‥
思い出そうとしても頭にうっすらと霧がかかったようにその後の事が思い出せない
『とりあえず‥服‥』
ゆっくりとベッドから降りようとして
足に力が入らなくて床にへにゃりと座り込む
「ん‥起きたか‥?」
ゆっくりと大地が上体を起こす
「‥どうしたっ?」
隣で寝ていたはずの私が床に座り込んでいるのをみてガバッと立ち上がって心配そうに私の顔を覗きながらしゃがみ込む
『なんか‥力入らなくって‥でも大丈夫‥!』
お互いに下着しか身に付けていないから
なんだかとっても恥ずかしくなって目を逸らしてしまう
「ふーん‥やっぱり昨日の事は覚えてないのか」
『っ!!』
パッとそらした顔を両手で包み込まれて
半ば強引に目を合わせられる
「顔真っ赤‥可愛い」
『んっ‥』
そのまま大地の顔が近付いてくると
ちゅ
と唇が重なった
その瞬間に身体の奥が疼いて
昨晩の熱が蘇る
『〜っ?!』
触れあう身体
耳に流れ込む大地の低い声
覚えていないはずの光景がパッと浮かび上がって身体がますます熱をもつ
「身体は‥覚えてたか?」