第13章 *それぞれの初めて
とにかく身体が熱い
熱でもでてきたのかな?
今すぐに涼しい服に着替えたいのに
アルコールのせいで力が抜けた身体が言う事をきかない
ベッドに寝転んだまま
横に腰掛ける大地を見上げる
『大地ぃ‥脱がせて‥?』
「‥‥はっ?!」
大地も熱くなっちゃったのかみるみると顔が赤くなっていく
『ね‥お願い‥身体に力はいんない‥』
ギュッと握る手にそっと手を重ねると
大地に真剣な瞳で見つめられる
「俺‥ただでさえ久しぶりに花澄と2人きりでドキドキしてるのに‥そんな事したら歯止めが効かなくなるかもしれない‥それでもいいのか‥?」
『ん‥?歯止め‥?大地も顔真っ赤だよ‥一緒に脱ぐ‥?』
何を言っているのか
ふわふわとまわる頭のなかではちゃんと理解ができなくって
目の前で戸惑うように私を見つめる大地に手を伸ばす
「っ‥」
『‥だめ‥?』
少し苦しそうに眉を寄せたあとに
大地が私の上に覆い被さる
「‥ずっと我慢してた‥」
ぽつりぽつりと話しだす大地はなんだか苦しそうで
大地のお顔を、そっと手のひらで包み込む
「ほんとはスガん家に泊まるのも嫌だった‥」
『うん‥』
「合宿の時も‥本当は俺が隣にいきたかった‥」
『うん‥』
「毎日一緒に帰ってたのに‥毎日スガん家に帰って‥やっと合宿も終わったと思ったら今日は影山と出掛けるって言うし」
『うん‥』
「‥そんな可愛い格好して影山と何してたんだ?」
ぐっと近づく距離に
今にも大地の唇が触れてしまいそうだった
『な‥にって‥んっ‥』
答えようとすると
包み込んでいた顔がさらに近づいて
唇と唇が重なった
そのまま深く舌が入り込んできて
私の舌を絡めとる
『んっ‥ふっ‥ぅ‥っ』
「そんな可愛い顔して‥影山の事見つめたのか‥?スガん家に泊まって毎日何してたんだ‥?」
いつもの落ち着いた大地とは違う
余裕のなさそうな瞳に捉えられる
『んむ‥っ‥わかんないっ‥』
「本当はこんなこと‥付き合ってからしたかった」