第13章 *それぞれの初めて
影山side
『影山君‥しんどくない?大丈夫?』
姉貴が荷物を纏めて出て行って
改めて花澄さんの姿をみる
ドキドキと心臓がバカみたいに騒いで何も言葉がでてこない
『おーい‥飛雄くん?』
「っ?!」
突然下の名前を呼ばれてビクッと反応する
『えへへ‥お姉さんがよんでたから‥わたしもよんでみちゃった!』
「〜っ!」
目の前にある身体をギュッと抱きしめる
『影山君‥?身体熱い‥』
「‥可愛すぎて‥俺‥花澄さんの事他の誰にも見せたくない‥」
どうしようもない俺の独占欲
紅茶みたいな色した大きな瞳が戸惑いながら俺の事を見つめる
触れなくても分かるほど柔らかな猫っ毛の髪
綺麗なストレートの髪はいつも高い位置で纏められているけど
今はゆるりと無造作に巻かれているからすっげぇ色っぽい
白い肌によく映えるピンクの口紅
程よく艶があって今すぐにでもキスしたい
大きな瞼の上には控えめにキラキラと光るラメ
ただでさえ長くてカールしているまつ毛はさらに綺麗に伸びて
印象的なくりっとした大きな目をさらに際立たせる
身体のラインを拾い上げるピタッとした淡いベージュのリブワンピースがさらに色気を増しておかしくなりそうだった
『デートは‥?行かないの‥?やっぱりしんどい‥?』
この状況でもいまだに俺の身体を心配する花澄さん
「すんませんっ‥悪いけど‥デートどころじゃなくなりました‥」
『ふぁっ‥ん‥む‥っ‥』
柔らかな身体を抱きしめたまま
堪えきれなくなって噛み付くように唇を奪う
近付くとふわりと香るあまい香りがさらに俺の思考を狂わせる
「俺‥やっぱ我慢できないっス‥」
華奢な身体をふわりと抱き上げて
階段を上がっていく
『えっ‥影山君っ?』
いまだに何が起こったかわからない様子の花澄さんをベッドの上におろして
すぐさま覆い被さるようにしてキスをする
俺の全てが花澄さんに反応する
欲しい
今すぐに
花澄さんの全部が
欲しい