第13章 *それぞれの初めて
『ね‥かげやまくん‥どうしたの?』
初めて入る影山君のお部屋
物が少なくて
綺麗に整理された部屋は影山君らしいなと思ったけど
そんな事をゆっくりと思う暇もなく
私は今ベッドの上にいる
あの日の夜みたいに
余裕のない目をした影山君が私の上に覆い被さる
「‥あの日の続き‥‥いいスか?」
『っ‥』
影山君の顔はまだ赤いままだった
そして私もきっと
負けないくらい赤い顔をしていると思う
なんて答えたらいいか分からずに
じっと影山君の目を見つめているとゆっくりと指を絡め取られる
「答えないって事は‥いいって事っスよね?」
『んっ‥まっ‥て‥』
絡められる右手
大きな左手はそっと顔に添えられて
逃げ場をなくした私の唇をゆっくりと奪う
2度‥3度と重ねられる度に深くなる口付けに呼吸が乱れる
『っ‥ぁ‥』
呼吸をしようと口を開くと影山君の舌がくちゅりと入り込んできて
苦しいはずなのに
それと同じくらい気持ちが良い
「今日出掛けさせないで正解でした‥すっげぇ可愛い‥」
『んっ‥ふっ‥ぅ』
ゆっくりと絡み合う舌が気持ちがよくて
何も考えられなくなってくる
「こんなエロい服‥他の奴にどんな目で見られるか‥」
ウエストのリボンをゆっくりと引っ張って解いてしまうと
胸元の大きなボタンを上から一つずつ外していく
『まっ‥まって‥そこはずしちゃ‥』
「はずしてもいいっスよね?」
『ゃっ‥んむっ‥』
ダメって答えようとした唇をキスで塞がれて
3つしかついていないボタンが全て外される
『ゃっ‥みないで‥っ』
「みないとか無理っスよ‥めちゃくちゃ可愛い‥」
露わになった下着ごと両手で包み込まれて
胸の谷間に影山君の顔が埋められる
『はずかしいよっ‥ね‥おねがい‥っ』
「もう花澄さんの身体は全部見たことあるんスから‥恥ずかしくないですよね?」
ちらりと私の顔を見た後
すぐにまた胸元に顔を埋めて
触れるだけのくすぐったいようなキスが降ってくる
『っ‥ゃっ‥』