第13章 *それぞれの初めて
影山side
花澄さんをみてはしゃぐ姉貴
2人で言い合いをしているとふふっと笑い声が聞こえる
「「?」」
姉貴と花澄さんの方を振り向くと相変わらず天使みたいに可愛い顔してこっちをみてるから心臓がドキッと跳ねる
「さぁ!早速はじめるね!花澄ちゃんだよね?この椅子座ってくれる?飛雄は完成までのお楽しみって事で部屋で着替えといで!」
『じゃあ影山君またあとでねっ!』
「うス‥」
姉貴にしっしと手で払われてリビングの扉をでて自分の部屋へ向かう
「‥なんだコレ‥?」
ベッドの上に小さな封筒が置いてある
「飛雄へ 初めての彼女 大事にしなさいよ」
「だから彼女じゃねえって‥‥‥‥今は」
姉貴の達筆な文字
封筒をあけると中から予想外のモノがでてきてバッとベッドの下に隠す
「っ‥」
四角い小さな袋
合宿所での花澄さんの姿を思い出す
あと少しで一つになりそうだった身体
思い出すだけで一瞬で俺の身体は熱を持って反応してしまう
今日‥あの日の続きを出来たらなんて淡い期待を抱いてるけど
デートの後になんて言えばまた俺の部屋に来てもらえる?
今日は両親はじいちゃん家に行ってて帰ってこねーし
姉貴は仕事だから2人きりになれる絶好のチャンスだった
「とりあえず着替えよ‥」
さっきベッドの下に隠した小さな四角い袋を枕の下にさっと移動させる
着替えを終えて
少ない荷物をバッグに詰める
ちなみに花澄さんの洋服は
姉貴が前担当した雑誌の人からもらったそうだ
自分には小さいからって花澄さんに着せるのを楽しみにしていた
ドキドキとした気持ちを紛らわせるためにバレー雑誌を読み耽っているとリビングから姉貴の大声が聞こえる
「飛雄ー!!できたよー!おりといでー!」
メイクなんか何にもしなくったってあんなに可愛い花澄さんが
プロのヘアメイクをしてもらったらどうなってしまうんだろう
楽しみな気持ちよりなんだか恐ろしいような気持ちにもなってくる
ドキドキとしながらゆっくりとリビングの扉を開く