第13章 *それぞれの初めて
練習が終わって
影山君と待ち合わせをしていた校門に向かう途中に忘れ物をしている事に気付いて慌てて取りに戻る
『お待たせ影山君〜!待ったよね?ごめんね!』
「ふーん‥2人で待ち合わせ‥か」
『あれ?スガさんも影山君と待ち合わせですか?』
「ん〜?たまたま会っただけ〜!じゃあまたね!」
『はいっ!また!』
菅原さんにぺこりと頭を下げると私の頭をくしゃっと撫でて帰っていく
「あの‥大丈夫でしたか‥?」
『えっ?』
「その‥いつも主将と帰ってるから‥」
影山君が少し目を逸らしながら聞いてくる
『大地?大丈夫だよ!ちゃんと1人で帰れるって!』
影山君をニコッと見上げると何故か少しため息をはいて
私をじっと見つめる
「‥まぁいいや‥俺ん家こっちなんで行きましょうか」
『うん?案内お願いします!』
影山君のお姉さんってどんな人なんだろう?
きっと素敵な人なんだろうな〜なんて思いながら
バレーの話とか
体育祭の話とか
色んな話をしながら帰っていると気付いたら影山君のお家に着いていた
「俺ん家ここっス‥どうぞ」
『わぁ〜ありがとう!!お邪魔しますっ!』
2人で玄関を開けて入るとすらりとした綺麗な人が出迎えてくれる
「いらっしゃい!!写真でもすっごい可愛いと思ったけど実物みるとさらに可愛い〜っ!!まつ毛長!!!目おっきい〜髪サラサラだしヘアメイクのしがいがあるわ〜!!」
キリッとした切れ長の目
黒髪に整った顔立ちが影山君にそっくりだった
『わぁ〜初めまして!!影山君のお姉さんとっても素敵です!!こんな綺麗なお姉さん憧れます!』
「はぁっ‥なんて可愛い子なのっ‥うちの飛雄がこんな可愛い子を家に連れてくるなんて‥」
「もういいだろ?それより俺達この後出掛けるから早くしてくれねーか」
影山君のお姉さんにギュッと抱きしめられていると
影山君が少しぶすっとした顔をしてお姉さんに話しかける
「はいはい‥可愛い彼女とられたからって拗ねないの!私もこの後仕事だしすぐにするからさ!」
「っ‥‥彼女じゃねぇし‥」
なんだか仲の良さそうな2人を見ていると
自分たち兄妹の姿と重なってつい微笑んでしまう