第13章 *それぞれの初めて
影山side
今日は朝からずっとソワソワしていた
花澄さんが初めてうちに来るってのも緊張するし
2人で‥デート‥
「影山〜顔赤いぞっ!むっつりスケベですか?」
「ったくまたお前か‥」
横から俺の顔を覗き込んでくる日向を無視してサーブ練習を続ける
「か‥影山の様子がおかしいっ‥!!」
騒ぐ日向に気付かないフリをして
その後も集中して練習に打ち込んで
気付けばあっという間に片付けの時間になっていた
ネットを片付けていると体育祭の話題になって
花澄さんが応援団の応援合戦にでるからって菅原さんが騒いでいる
正直俺もまさか応援団に入ってくるとは思わなくて驚いた
それでも合同練習の度に
あのどんくさい花澄さんが上達している姿をみて
必死に練習しているんだというのが分かった
そんなところも俺はやっぱり好きだと思った
「そうそう!カッコいいよなー!男子は羽織袴に襷とハチマキ巻いて、女子は羽織袴にさらし巻いてハチマキ‥‥‥」
菅原さんの話し声を聞いてハッとする
そういえば衣装‥
『スガさん‥?』
「花澄ちゃんもさらし巻いてその上から袴羽織るの‥?」
『はいっ!そのつもりです!』
「「「っ!!!」」」
菅原さんの問いかけに元気に答える花澄さんに
そこにいたみんなが顔を赤くして固まる
やばい
そんなん‥
想像するだけで
『えっ?!影山君顔真っ赤だけど大丈夫っ?!もしかして熱出てきた?!』
「いえ‥なんともないっス‥」
これ以上赤い顔を見られないように転がっていたボールを拾って体育倉庫に駆け込んだ
それに‥今からデートなのに
熱なんか出してられっか‥
「今日はここまで!明日は部活休みだからまた月曜日にな!解散っ!」
「お疲れっシタ!!」
主将の掛け声にそれぞれが元気よく挨拶をして
今日の練習が無事に終わった
「あれ‥影山帰んねーの?」
急いで着替えをして校門で花澄さんを待つ
「お疲れっス!スガさ『お待たせ影山君〜!待ったよね?ごめんね!』