第12章 合宿の終わり 新たな恋敵
その後も二試合目
三試合目と練習試合が続いて
良いところまでいくけれども
結局1セットもとれないまま烏野は音駒に惨敗した
「もう一回!!」
はぁはぁと他のみんなが息を切らす中
日向君が大声で叫ぶ
「あのこ‥すごいですね‥」
音駒高校の先生が驚いたような声を出す
『す‥すみませんっ!そろそろ時間ですよね‥』
手元の腕時計をみるとそろそろ帰る準備をしないと音駒高校は新幹線の時間に間に合わないくらいの時間になっていた
日向君に駆け寄って行って肩をたたく
『日向君っ‥そろそろ新幹線の時間もあるし‥』
そんな私たちの様子を見て猫又監督が歩み寄ってくる
「またうちとやりたいなら‥公式戦だ」
「っ!!」
「ー全国の舞台 たくさんの観客の前で 数多の感情渦巻く場所で ピカッピカキラッキラのでっかい体育館で ゴミ捨て場の決戦 最高の勝負 やろうや」
「「「ー!!!」」」
私を含めて烏野の全員が息を呑む
「「「はいっ!!」」」
その後はそれぞれがお互いの監督からアドバイスとお話をしてもらって
全国大会で会おうという最大のエールを受け取って
練習試合は終わった
『よいしょっ‥』
「手伝うよっ‥と」
『黒尾さんっ!』
みんなでコートの片付けをして
私はドリンクポットを烏野と音駒の分を運んでいると横から黒尾さんが半分持ってくれる
「今日はうちのマネージャーしてくれてほんとにありがとね?おかげで皆んないつもより気合いすごかったわ」
『いえいえ!少しでもお役に立てたなら良かったです!』
「それでさ‥音駒にきてってのは冗談だけどさ‥また部活以外でも会えるかな?」
試合中にみせたような真剣な瞳でいきなり見つめられて心臓がドキッと跳ねる
『はっ‥はいっ!兄がよく出張で東京に行くので私もついて行くことがあって‥また東京に行く時は連絡しますね!それにまた部活で会うことも増えそうですね?』
ニコッと笑って見上げると黒尾さんが目を見開いて固まる
「っ‥その笑顔ほんと‥まぁいいや‥楽しみにしてる!」
『はいっ!私も楽しみにしてますね!』
「ぐっ‥やっぱ死ぬほど可愛い‥」