第11章 *合宿 ネコとの出会い
「それか‥良かったら花澄ちゃん先入る?疲れたべ?」
「そうだな‥花澄が良かったら1番に入ってくるか?」
菅原さんと大地が優しく私の目を見つめる
『んっ!!ありがとうございます!!お先にいただきますっ!』
さっき潔子さんとあんな話をしたからか
急に意識してしまって恥ずかしくなる
「いい返事っ‥じゃあ行ってらっしゃい?」
『う‥うんっ!ありがと‥じゃあ着替えとってきますっ!』
赤くなった顔を見られないように下を向きながらパタパタと広間に走って帰る
『わっ?!ごめんなさいっ‥』
扉を開けて入ろうとすると
出ようとした誰かとぶつかる
「おっ‥と‥大丈夫ですか?」
倒れそうになった私をヒョイっと掴んで立たせてくれる
『日向くんっ‥ごめんね?痛かったよね?』
みんなよりも小柄だけど‥やっぱり日向君も男の子なんだな
引き締まった身体に筋肉がついているのが分かる
ぶつかったところが痛くないか日向君の身体を触っていると後ろから月島君の声が聞こえてくる
「もうやめてあげた方が良いんじゃないですか?日向鼻血だしますよ」
『えっ?!大丈夫っ?!』
慌てて日向君の顔を見上げると顔を真っ赤にして両手で覆い隠していた
「だ‥大丈夫っ‥ですっ!」
『ごめんねっ!日向君に怪我させてないか心配でっ‥』
日向君の髪を撫でようとすると影山君に手首を掴まれる
「そんなに急いで‥どうしたんスか?」
『えっ?‥あっ‥そうだった!!お風呂最初に入らせてもらう事になって‥着替え取りに来たの!皆んなも早く入りたいのにごめんね?』
みんなにぺこりと頭を下げると目の前に何かを差し出される
『え‥と?これは?』
「パジャマ‥ピチピチのやつしかないって言ってましたよね?縁下さんと、昨日は田中さんに借りてましたよね?」
『そ‥そうだった!いいのかな‥?借りてばっかりでごめんね?』
「いえ‥むしろ着てくれた方が嬉しい‥です」
『‥?ありがとう!じゃあ行ってきます!』
影山君が差し出してくれた体操服を受け取ってお風呂場へと向かう
今日はのぼせないように気をつけよう