第11章 *合宿 ネコとの出会い
大地が私を安心させるようにぽんぽんと頭を撫でてくれる
『そっか!びっくりしちゃった‥良かった‥!!じゃあ私急いで夜ご飯作ってくるね!』
「頼んだ!ありがとな!」
優しい顔でそう言うとくるっとみんなの方を向いて大きな声で話しかける
「お前らまたマネージャーに心配かけんじゃねえぞ!」
ハイっ!とみんなが大きな声で返事をしてくれて私にぺこっと頭を下げる
慌てて私もぺこっと頭を下げて急いで食堂へと戻る
「花澄ちゃんさ‥最近さらに可愛くなったよね?彼氏でも出来た?」
バタバタと夜ご飯を作り終えて
皆の食器を洗っていると潔子さんが私をみてふわりと優しく微笑む
『えっ‥?!出来てないです‥烏養さんにも同じ事聞かれました』
なんでだろうと首を傾げると潔子さんも首を傾げる
「そうなんだ‥絶対出来たと思ったんだけど‥じゃあきっと恋してるんだね」
潔子さんの切長の綺麗な目がふっと細められてドキッとする
『こ‥恋っ‥?ですかっ?!』
「うん‥きっとね?鈍感な花澄ちゃんの事だからまだ自分の気持ちにも気付いてないのか‥まだ恋まではいってないのか‥それとも誰かの間で心が揺れてるのかもね?」
心の奥まで見透かされそうな潔子さんの澄んだ瞳に見つめられて
みんなの顔が浮かんで心臓がとくりとする
『っ‥こんなの初めてで‥わかんない‥んです』
「そっか‥初めての恋‥だもんね?いつでも相談のるから‥ね?」
優しい潔子さんになぜだかじわりと涙がうかんでギュッと潔子さんに抱きつく
「彼氏できたら教えてね?ちょっと寂しいけど」
『潔子さん大好きですっ‥』
「またそうやって‥可愛いんだから」
2人で笑い合っていると入り口の方に視線を感じて振り返る
「美女の抱擁ですか‥ご馳走様でした」
「‥潔子さん‥花澄‥最高‥」
「百合の世界も‥いいっ‥」
夕と龍
そして菅原さんが手を合わせている
『ゆり‥?』
「はい!スガは花澄に変な事吹き込まない!風呂いくぞ!」
突然うしろからワシャワシャと大地が頭を撫でる