第11章 *合宿 ネコとの出会い
『ありがとうっ!かしひとつ‥!』
「ふっ‥意味わかってますか?」
眉間に皺の寄っていた月島君の難しい顔がふわりと柔らかくなる
『分かる!!』
つい興奮してずいっと月島君に顔を近付ける
ちゅ
と触れるだけのキスをして月島君が立ち上がる
『んっ‥?!』
突然の事に顔に熱が集まるのが分かる
「分かるんなら良かったです。じゃあ朝ごはん楽しみにしてますね?」
『わ‥わかったです‥!がんばってつくってくる‥!』
カクカクと動き出すと月島君が後ろで笑ってる声が聞こえてくる
そんな‥いきなりキスされたらびっくりする‥よね?!
なんで月島君はあんなに余裕なの‥?
「おはようございます白石さん」
キッチンに着くとすでに武田先生がエプロンをつけて待ってくれていた
『武田先生っ!!おはようございます!お待たせしちゃってすみませんっ‥すぐ準備しますっ!』
慌てて髪をくくってエプロンを身につける
「僕が早く目が覚めてしまっただけなんです!‥それより‥また顔赤いですけど大丈夫ですか‥?やっぱり具合悪い?」
『えっ?!だ‥大丈夫ですっ!元気いっぱいです!』
慌てて否定するとふっと武田先生が笑う
「それなら良かったです!じゃあ始めましょうか!」
『はいっ!』
一緒に朝ごはんの準備をして
みんなと朝ごはんを食べて
今日も一日バレーボールの練習だ
あの音駒と戦う為に
夕方の練習が終わって
皆が片付けを始める頃
『そろそろ私は食堂に戻って夜ご飯の準備しなきゃっ!』
つい夢中になっていたらあっという間に時間が過ぎていてびっくりする
慌てて体育館シューズを脱いでいると
ダンッ!と大きな音がして振り返る
「仲良しごっこやってんじゃないんスからね 強い方がコートに立つ!これ当然です!!」
夕の大きな方が聞こえてきてコートへと走って戻る
『ど‥どうしたのっ‥?旭さんと夕‥また何かあった‥?』
「ん?あぁ‥大丈夫大丈夫!旭が縁下に遠慮してんじゃないかってな‥喧嘩じゃないから大丈夫だべ」