第11章 *合宿 ネコとの出会い
澤村side
唇の横についたアイスをペロッと舐めとると
またお風呂上がりみたいに花澄の顔が真っ赤になる
ソフトクリームを食べる姿をじっと見つめる
小さな口からでた舌が
溶けそうになるアイスを下から上にぺろりと舐め上げて
そのままアイスの先をぱくりと口に含む
これって‥アレみたいだよな?
「二人っきりで良かった‥」
溶けそうになる自分のアイスをパクっと口にいれる
「このままだと今度は風邪ひくから、そろそろ部屋に戻って髪乾かすぞ!」
『うんっ!有難う大地!』
向かい合ってふにゃっとした笑顔で嬉しそうにアイスを食べる花澄
可愛いその姿につい俺も笑みが溢れる
独り占めしたいのに
今日も花澄の隣で寝る事はできない
自分のくじ運のなさにげんなりする
今日はスガと西谷か‥
可愛い寝顔見られるんだろうな‥
そんな事を考えているとまた胸にモヤっとしたものが溜まっていく
さっきは武田先生にもたれかかるの花澄をみて心臓がドキッとしたし
先生にまで嫉妬するって俺よっぽど余裕ないな‥
下を向いているとひょこっと可愛い顔が覗き込んできて心臓が飛び出そうなくらいドキッとする
『どーしたの?最近よく考え事してるみたいだけど‥溜め込んだらダメだよ?私でよければ話聞くからいつでも言ってね?』
そうやってずっと俺の事だけみてればいいのに‥
『んっ‥?大地‥?』
「‥少しだけ‥こうしててもいいか?」
『少しじゃなくてもいいよ!大地が元気になるまで』
我慢していたものが溢れ出して
小さな身体をギュッと抱きしめる
毎日一緒に帰ってたのに
ここんとこはずっとスガん家に泊まってて
最近入ったばっかの一年ともすぐに仲良くなって楽しそうに話す姿もよく見るし
ずっと大切にしてきた花澄が
するりと俺の腕の中から抜け出していってしまうような気がして怖くなる
『いっつも大地は私の事守ってくれるもんね!だから大地がピンチの時は私が助けるからね』
柔らかい腕が俺を抱きしめる