第11章 *合宿 ネコとの出会い
菅原さんに詰め寄られて少し後退りをする
『孝支さんっ‥はなんだか慣れなくて‥照れます‥』
「待って?!孝支さん呼びやば‥照れた顔もかわい‥」
菅原さんがお布団の上にゴロゴロと寝転がる
「花澄ちゃん布団運んどくよ?」
『旭さんっ‥結局すみませんっ‥』
東峰さんが私の布団を敷いてくれる
「スガ楽しそうだな?風呂の順番だけど今日は一年から行ってきていいぞ!」
大地が声を掛けると日向君と影山君は競争するようにすぐに出て行ってしまった
「ほんと元気だね‥」
月島君と山口君もその後に続く
お風呂の順番が来るまで今日もみんなでトランプをしていると広間の扉をトントンとノックする音が聞こえる
「皆さん〜お風呂から上がったら食堂に寄って下さいね!烏養コーチがご褒美にアイスを買ってくれてますよ!」
『わーい!!アイスだって!!』
「花澄はほんと甘いもの好きだな〜」
隣に座っていた大地が私をみて優しく微笑む
『だって美味しいもん!私一年生のみんなにも伝えてくるね!』
「それなら俺が‥ってもういないし‥」
階段を小走りで降りてお風呂場へと向かう
『影山くーん!日向くーん!月島君に山口くーん!』
脱衣所の前の扉で呼びかけてみるけれどもさすがに聞こえないのか返事がない
『まだきっとお風呂浸かってるよね‥お風呂場の前から言ったらいいかな』
脱衣所のドアをノックしてからガチャリと開けると腰にタオルを巻いただけの月島君と目が合う
『わぁっ?!ごめんなさいっ‥てっきりまだお風呂浸かってるかなと思って‥』
慌ててドアを閉めようとすると月島君の手が伸びてきて手首を掴んで中に引き寄せられる
「どうしたんですか?こんなところまできて」
『えっ?!あっ‥そうだった‥アイスっ!!烏養さんがみんなに買ってくれてるから‥お風呂上がったら食堂に寄ってねっ‥!』
目の前の月島君を直視できずに目を逸らしながら早口で伝える
「顔真っ赤‥可愛いですね」
月島君がどんどんと私の方へと近づいて来て
顔を覗き込む
『〜っ!!』
後ろには壁があってこれ以上後ろに下がることは出来ない