第10章 *合宿 それぞれの想い
「行くよって‥勝手にフラフラしてたのはどっちよ?!」
「ごめん‥」
2人が並んで歩き出したと思うと研磨さんがこちらを振り向いて手を振ってくれる
『黒尾さん!ありがとうございましたっ!研磨さんもありがとうございます!』
「おー!!またな!」
「研磨でいいよ‥またね 花澄と‥翔陽」
大きく手を振り返すと2人とも手を振って歩いていった
「研磨っ‥お前いつのまに名前呼びで‥さては研磨も一目惚れかっ?!」
「俺も‥って事はクロも一目惚れしたの?」
「っ?!」
遠くの方で黒尾さん達が言い合いしているのが聞こえてきたけど何て言ってるのかまではわからなかった
またね‥?
日向君と2人で首を傾げる
「やべっ!!ロードワーク中だった!!」
日向君がハッとした顔をして走り出す
『待って日向君っ!場所わかるのっ?』
慌てて駆け寄ると日向君も慌てて戻ってきてくれる
「俺っ‥つい1人で走り出してっ‥すみませんっ!!場所‥来た道戻ったら分かりますっ!」
『ううんっ!追いつけなくてごめんねっ!私迷子だったから助かった‥!一緒に走ってもいいかな?』
ぺこーっ!と頭を下げる日向君に私も深々とお辞儀をして頼み込む
「もももももちろんっ!!!一緒にっ!!走りますっ!!」
『ありがとうっ!!助かったよ〜!』
2人で走りながら戻っていくと心配した大地達が途中まで迎えにきてくれていた
「おーい!!日向!!花澄ちゃん!!日向は途中でいなくなるし花澄ちゃんは中々来ないし‥心配したべ!」
『スガさん‥ごめんなさい!迷子になっちゃって‥』
「すみませんでしたっ!!」
日向君と一緒に頭を下げると菅原さんが私たちの頭をワシャワシャと撫でる
「日向はちゃんと周り見る事!!花澄ちゃんは‥次から1人にしないようにするわ!俺らが悪かった!ごめん!」
『いえいえっ!私が地図読めないからっ‥謝らないでくださいっ!』
「とりあえず花澄ちゃんが無事でよかったわ!体育館行って練習始めるべ!」
『はいっ‥!ありがとうございます!』
みんなでぞろぞろと第二体育館へと向けて歩き出す