第10章 *合宿 それぞれの想い
月島side
花澄さんのピチピチのTシャツは絶対アウトだけど
今度は縁下さんに借りたぶかぶかのTシャツを着て帰ってきた
花澄さんには大きすぎるTシャツは
履いているであろうショートパンツをすっぽりと隠してしまっていてとんでもなく刺激的だ
あんなの何も履いてないみたいじゃん‥
ミニ丈のワンピースのようになったTシャツからは細い脚がすらりと伸びる
いつも高めの位置でくくっている髪はおろされていて無防備な姿から漂う色気がすごい
近くによると花澄さんの甘い香りとお風呂上がりのソープの香りにくらっとしそうな程だ
こんな姿誰にも見せたくなかったけど‥せめて隣を確保できて本当に良かった
部屋の電気が消されて暫くすると隣で寝転んでいた西谷さんのいびきが聞こえてくる
「はぁ‥寝れる気がしない‥」
寝返りを打って花澄さんの方を向くと
目の前に花澄さんの顔があってビックリする
閉じられた長い睫毛
小さな整った顔を思わずじっとみつめる
子供のようにすやすやと眠る姿はいつもよりも少し幼く見えた
一体花澄さんは影山とお風呂場で何をしていたんだろうか?
ただでさえ眠れそうにないのにさらに頭が冴えてくる
どれくらい時間が経っただろうか?
周りからはすやすやと穏やかな寝息や大きなイビキが聞こえてくる
『‥水‥』
むくりと隣の布団から立ち上がる花澄さん
水を飲みに行ったのか暫くするとふらふらと帰ってきてそのまま僕の布団に潜り込んでくる
「っ‥?!」
思わず声をあげそうになって口を押さえる
周りに見られていないか少し上体を起こして見渡してみるけれども皆んな寝ているようで誰も気付いていないみたいだった
「はぁっ‥ここまできたらもう襲ってくださいって言ってるようなもんでしょ‥」
密着する身体にふにゃっと柔らかい胸が当たって心臓がバクバクとうるさくなる
小さな身体をギュッと抱きしめて花澄さんの香りを胸いっぱいに吸い込む
まるで媚薬のような甘い香り
大きなTシャツの胸元からみえる谷間に
俺の身体に絡みつく脚
「これはどう考えても花澄さんが悪い‥」