第10章 *合宿 それぞれの想い
「武田先生んとこ行ってた!明日の事とか色々!」
「それで‥花澄はどうした?」
大地と菅原さんが横に並んで3人で部屋に向かって歩き出す
『えっとね‥前もらったTシャツ着てたんだけど皆んな目を合わせてくれないの!だから縁下君が着替えたほうがいいってこれ貸してくれたから!』
「ほー‥それでまたそんなブカブカなTシャツ着てるってわけね‥これはこれでヤバそうだけどな‥」
「そうだな‥Tシャツの下はちゃんと履いてるよな?」
大地が怖い笑顔で私のことを見る
『っ!?履いてるよっ!』
「ならいい‥その代わりマジで気をつけなさいよ?」
『はいっ‥!』
こーゆう時の大地は笑ってるけど怒ってる時があるから少し怖い!
「俺らも見てるから大丈夫だべ!なんかあったらすぐに菅原先輩のとこに来なさいよ!」
くしゃっと笑って菅原さんが撫でてくれる
「まぁ‥いつも学校での姿しか見てない奴らからしたら、この無防備な姿は堪らんよな‥」
『なんて言いました‥?』
聞き取れなくて顔を近付けるけれども部屋の前についたからそのまま中に入って行ってしまった
「そろそろ消灯するぞー!」
皆に声を掛ける大地に続いて私も中に入る
『これで大丈夫かな‥?』
おそるおそる顔を上げるとみんながまた顔を真っ赤にして目を見開いて固まっている
「お‥おいっ!!日向が鼻血だしてんぞ!」
『ええっ?!』
慌ててポケットティッシュを持って日向君に駆け寄ろうとすると横から縁下君がきてパッとティッシュを掴む
「やるわ‥なんか逆効果だったかも‥ごめん」
『ううんっ‥ありがとう!こっちの方がゆったりしてて寝やすいかも!』
「っ‥!むしろ俺のTシャツ着てもらってありがとう‥めちゃくちゃ可愛いし‥髪おろしてんのも可愛いな」
耳まで真っ赤にした縁下君は私の耳元でこそっと話して日向君に駆け寄っていく
日向君の鼻血が止まるまでしばらく待ってから部屋の電気を消す
私は自分のお布団へと戻ってころんと寝転ぶ
ちらっと影山君の方を見るともう眠っているみたいだった
影山君があんな事を思ってるなんて夢にも思わなかったな‥
思い出すと身体が疼いてくるからギュッと目を瞑る