第10章 *合宿 それぞれの想い
影山君と月島君の手を握ったままお部屋の前まで帰ってくる
「‥そろそろ手離しましょうか?」
『えっ?!あっ‥ごめんねっ‥月島君!』
慌てて手を離す
「別に‥こんなところ他の人達に見られたらまた何言われるかわかんないんで‥それだけです」
『そうかな‥?』
扉を開けようと手をかけた途端にバーンと開いてびっくりする
『わぁっ?!夕っ?』
「花澄!!遅かったな!!心配すぎて探しにいくところだったぞ‥っ‥!!!そのTシャツ着てきたのかっ‥?!」
両手を広げて近付いてきたのに私の前で顔を真っ赤にしてピタッと止まる
『うんっ!だってせっかくもらったから!』
「そ‥そうか‥おか‥おかえり!」
突然夕の目が泳ぎ出す
「お〜!!遅かったな〜!‥っ?!待てっ‥その格好に‥風呂上がりの破壊力はやばいっ‥!」
『えっ?!龍?!どうしたの!』
膝から崩れ落ちてしゃがみ込みながら顔を覆い隠す龍に駆け寄る
「大丈夫だから‥今はそっとしておいてくれ‥」
『具合悪いなら言ってね‥?』
心配になってそっと肩をさすっていると東峰さんが目を逸らしながら話しかけてくれる
「あー‥その‥具合が悪いとかじゃない‥から‥大丈夫だ!ただ‥立ち上がれないだけ」
『‥?そうなんですか‥?』
パッと顔を上げて周りのみんなを見るけれどもなぜかみんな顔を真っ赤にして目を合わせてくれない
「その‥皆んな白石のお風呂上がりの姿みるの初めてだし‥Tシャツも刺激的すぎたのかも‥な?」
少し顔を赤くした縁下君がやってきてこそっと話す
『誰も目合わせてくれない‥Tシャツがダメなら誰かに借りようかな‥』
「っ‥良かったら俺の貸そうか‥?」
『えっ?いいのっ‥?予備ある‥?』
「念の為持ってきたやつあるから‥待ってて‥」
『ごめんねっ‥ありがとう!』
縁下君がTシャツを渡してくれるからお手洗いにいってさっと着替える
このTシャツせっかくもらったのに‥なんだか申し訳ないな‥
「おーい!花澄ちゃんっ!お風呂遅かったねー!」
後ろから声を掛けられて振り向くと大地と菅原さんが歩いていた
『スガさん!どこ行ってたんですか?』