第10章 *合宿 それぞれの想い
影山side
『えっ‥今度‥?!』
頬を赤らめたまま
きょとんとした顔をしている
これで終わりになんて出来るわけがないから
今度こそは‥
でも今はとりあえず怪しまれないように早く戻ったほうが良さそうだから平然を装う
「服とってきますから‥待っててくださいね?」
優しく頭を撫でて届けてくれた着替えをとりに外へ出る
つーか‥このTシャツまた着るのかよっ‥
例のピンクのTシャツが綺麗に畳まれて置いてある
ぺらっと捲ると間に白いレースの可愛い下着と
ショートパンツが挟んであった
そっと中に入ってドアの隙間から着替えだけを差し出す
「服‥置いてますから。身体だけもう一回流した方が良さそうですけど‥俺、脱衣所の外で待ってますね」
余裕なフリをして無理して笑顔なんか作るけど
ドアが閉まった途端に一気に溜息を吐く
「やっちまった‥」
まだまだ収まらない俺自身を見て溜め息をはく
こんな事するつもりじゃなかったのに‥
嫌われたらどーすんだよ‥
でも‥あの状況で我慢できる男いるか‥?
「はぁっ‥我慢できなくなってついあんな事しちまったけど‥嫌われたら‥っ」
口ではそんな事を言いながら
熱を持ったままの俺の欲の塊はまだ収まるはずもない
ずるずると座り込んで花澄さんが出て来るのを待つ
『ごめんねっ!!お待たせっ!!』
ピチピチのTシャツを着ているからくっきりと身体のラインがでてしまっている
さっきの裸を思い出してまた俺自身の欲が疼く
「っ‥Tシャツ‥他にないんスか‥?」
『えっ?!うん‥せっかくもらったしなかなか着れる時もないしと思って‥ダメだったかな‥?』
「ダメじゃ‥ないっスけど‥その‥身体のラインが‥」
『ライン‥?』
きょとんと首を傾げる鈍感な人
「いや‥いいっす‥でももう次からは他の奴の前でこのTシャツ着ないでくださいね?」
『うん‥?分かった!やめとくね!』
俺にさっきまであんな事をされておきながら
無邪気な笑顔でパァッと笑う
「さっきは‥すいません。」
嫌われたらどうしようかと今更になって項垂れるとクシャクシャっと頭を撫でられる
『ううんっ!恥ずかしかったけど‥ピンチから救ってくれてありがとう!』