第10章 *合宿 それぞれの想い
影山side
風呂から上がって明日の準備や片付けをしている時に脱衣所に体操服を忘れてきた事に気付く
「うわー!!!体操服忘れてきたっ!取りに行ってきます!」
日向が先輩達に向かって大声で叫ぶ
「俺も‥同じくなので行ってきます」
日向に続いて風呂場へ向かう
「影山君も忘れ物ですか?!どんくさいですね〜!」
挑発するような顔で笑いながら話しかけて来る
コイツまじで‥ボケ日向め‥
揶揄ってくるコイツを追い抜かして脱衣所のドアを勢いよく開けるとまさかの光景に一瞬固まってしまう
お風呂上がりの花澄さんがあろうことかバスタオル1枚で立っていた
「はっ?!」
思わず大声を出してしまうと日向が不思議そうにやってくる
しまった‥こんな姿ぜってー見せたくねぇ‥
「大きな声出してどーしたー?」
咄嗟に花澄さんを奥の壁まで引っ張って覆い被さるようにして隠す
小さな花澄さんはすっぽりと俺の身体に収まるからじっくり見られない限り気付かれる事はないはず‥!
「っ‥なんでもないっ‥早く服とって帰れ‥こっち見んじゃねぇぞ‥」
密着する身体
髪の毛からは滴り落ちる水
お風呂上がりの紅潮した顔
そして甘い香りに心臓が一気にドキドキと騒ぎ出す
一瞬で熱を持った俺の欲の塊が固さを増していく
早く行けっ‥日向‥
「なんだよそれ〜!別に見ねーし!先帰ってるぞ!」
特に怪しむ様子もなくバタンと扉が閉まって日向が出ていった
『影山くんっ‥?ごめんね?ありがとうっ‥』
ホッと安心したような顔をする花澄さん
バスタオルから見える柔らかそうな胸の谷間と
白い太腿
意識しないようにしてもどうしても視界に入ってきてしまう
「何してんスかっ‥誰かに見られたらっ‥」
俺だけだったから良かったものの‥
なんでこの人こんなにも無防備なんだ‥?
考えているうちに段々腹が立ってくる
『でも‥影山君で良かった!!隠してくれて助かったよ〜!ありがとうっ!』
裸同然の格好をして目の前には年頃の男がいるってのに
呑気にふにゃりと笑って俺の事を見上げて来る
「っ‥!俺で良かったって‥どういう意味ですかそれ?」
俺の中で我慢の糸が切れる音がした