第10章 *合宿 それぞれの想い
髪の毛を拭きながら影山君達がお部屋に帰ってくる
『ありがとう〜!じゃあ私もお風呂行ってきます!』
みんなに手を振って急いでお風呂場へと向かう
本当は1人でお風呂に入るのだって怖いけどさすがにお風呂は一緒に入ってもらうわけにもいかないし
『さっと入ってさっと帰ろうっ!』
人気の無い廊下を早歩きして出来るだけ早くお風呂を済ませる
『えっ?!』
そして脱衣所にきてやっと気付く‥
私着替え何も持って来ずにきちゃったの?!
どうしようっ‥さっきまで着てた体操服は汗かいてるし出来れば着たくない‥
どうしようかと迷っていると影山君と日向君の声が廊下から聞こえてくる
「影山君も忘れ物ですか?!どんくさいですね〜!」
「うっさいボケ日向!お前もだろうが!」
どんどん近づいて来る足音
ふと脱衣所の横を見ると多分日向君と影山君の体操服が置いてある
もしかして忘れ物ってここにとりにくるの?!
慌てて入り口をみるけれどもここのお風呂場には鍵がついていない
とりあえずさっき着てた服着るしか‥
そんな事を考えているうちにガチャっと扉に手をかける音がする
咄嗟にバスタオルを巻き付けるとちょうど入ってきた影山君と目が合う
「はっ?!」
「大きな声出してどーしたー?」
「っ‥なんでもないっ‥早く服とって帰れ‥こっち見んじゃねぇぞ‥」
後から入ってきた日向君から見えないように影山君が私を壁際に寄せてその上から覆い被さるように隠してくれる
「なんだよそれ〜!別に見ねーし!先帰ってるぞ!」
バタンと扉が閉まって日向君が出ていったみたいだ
「はあっ‥ビビった‥」
『影山くんっ‥?ごめんね?ありがとうっ‥』
密着している影山君の心臓がドキドキしているのが伝わって来る
「何してんスかっ‥誰かに見られたらっ‥」
『着替えまるごと忘れてきちゃったみたいで‥どうしようか迷ってたら影山君達が来たから咄嗟にバスタオルで隠したんだけどっ‥』
「お風呂場の中にでも隠れてくださいよっ‥こんな姿‥無防備にも程があるっ‥」
『でも‥影山君で良かった!!隠してくれて助かったよ〜!ありがとうっ!』
「っ‥!俺で良かったって‥どういう意味ですかそれ?」