第10章 *合宿 それぞれの想い
「たとえ相手の大将が花澄でも手加減しねーからな?!ぶっ潰す!!」
「望むところだ!!」
『ワクワクするけどっ‥狙われるのはちょっと怖いかもっ‥』
「大丈夫ですよ‥花澄さんには当てさせませんから」
「おおっ!やっとやる気になったか月島!!」
『ありがとう月島君っ!私も頑張るっ!』
開始の合図と共にすごい勢いで枕が飛び交う
『はぁっ‥これは大変っ‥』
前の4人が頑張ってくれているから何とか逃げ回れているけれど‥
「しまったー!!!当てられたっ!!」
日向君が龍の投げた枕に当たってしまう
「っしゃー!!!大将狙うぞっ!」
『わぁっ?!』
一気に枕が飛んでくるから避けようとしてバランスを崩してしまう
「っと‥大丈夫ですか‥?」
月島君が倒れそうになる私をキャッチしてくれる
「隙ありっ!!大将は頂いたぜー!!」
抱き合うように向かい合う私達に枕が当てられる
『当てられちゃった!!月島君もごめんねっ!』
「いえ‥花澄さんがこけなくて良かったです」
少し赤くなっている月島君の耳
その後もすぐに2回戦が始まって白熱した戦いが続く
『あ〜!!疲れたねっ!』
大したこともしていないのに逃げ回って疲れた身体を布団になげだす
「おーい!お待たせ〜次2年風呂入っておいで〜ってなにこれ?!さてはお前ら枕投げしてたなっ?!」
ほかほかと湯気を立てながら部屋に戻ってきた菅原さんがビックリして声を出す
「やべー!!大地さんにバレたら怒られんぞ!」
「誰にバレたらだって?」
菅原さんの後ろから大地がやってくる
「ノヤっさん!風呂行こうか!」
「そうだな!龍!」
そそくさと夕と龍が出ていって縁下君たちもそれに続く
「ったく‥アイツら逃げやがったな‥」
『おかえりなさいっ!』
「花澄もこんなに髪ボサボサにして‥子供じゃないんだから!」
大地が髪の毛を整えてくれる
「それで?次は何して遊ぶ?!」
私と大地の間から菅原さんがひょこっと顔を出す
結局お風呂の順番が来るまでトランプをしたりじゃんけん大会もしたりしてあっという間に時間が過ぎた
「お待たせしました花澄さん」