第10章 *合宿 それぞれの想い
用意してくれていた布団を運んでいると横からヒョイっと誰かが持ってくれる
「隣なんで運びますよ?」
『わっ?!ごめんねっ!!ありがとうっ‥!』
1番のくじを引いた影山君は壁際に布団を敷いて
その横に私の布団を敷いてくれる
「俺‥一生分の運使い果たしたかもしれません」
『えっ?!そんなに壁際が良かったんだね!いいところ当たって良かったね〜!影山君の運はまだまだあるから大丈夫だよっ!』
影山君の頭を撫でていると反対側にバサっと布団が敷かれる音がして振り返る
『月島君!お隣宜しくね?』
ニコッと笑うと顔を逸らしてしまう
「宜しくお願いします‥」
「月島と影山!隣だからって花澄に手出すんじゃないぞ?」
大地と菅原さんと東峰さんがそれぞれお風呂の用意を持って立っている
「手、出したくなる気持ちは分かるけどね?!ダメだよっ!2人ともっ!」
「おいおいスガ‥その気持ちわかっちゃダメでしょうが‥」
『仲良くするから大丈夫だよっ!お風呂行ってらっしゃい!』
「仲良くするのはいいんだがな‥そういう意味じゃなくて‥まぁいいか、、風呂最後になってごめんな!最後が1番ゆっくり出来るかと思って‥」
『うん?ありがとうっ!』
三年生組に手を振ると3人がお風呂に向かって行った
『私達は何して遊ぶっ?』
皆んなでお泊まりが楽しくって枕を抱きしめながらみんなに聞いてみる
「ここは定番の枕投げだろ?!」
夕が枕を両手に抱えて立ち上がる
『楽しそうっ!!みんなもする‥?』
「花澄さんがするなら‥」
枕を持って影山君が私の前に立つ
「俺もっ!!するするっ!したいですっ!」
ぴょんぴょんと日向君が飛び跳ねる
それぞれがやる気になって枕を持って立ち上がる中で月島君は後ろを向いて携帯を触っている
「じゃあちょうど真ん中でチーム分けるぜ!俺はリベロな!掛け布団で守るから‥影山と日向と月島はアタッカーだ!それで‥花澄が大将な!」
『ええっ?!私が大将なの‥?!』
「おう!だからお前ら花澄の為にも相手チームをバンバン倒してくれよ!俺は死ぬ気で守るっ!」
「勝手に僕もチームに入れられてるし‥」
やる気がなさそうな月島君がのそりと立ち上がる