第10章 *合宿 それぞれの想い
東峰さんが笑う
「おーい!武田先生の許可もらってきたぞ!」
『大地!!有難う!!でも‥我儘言ってごめんなさい』
「いいのいいの!皆んな花澄が来たら喜ぶわ!部屋向かうか!」
三年生に囲まれてみんながいる大部屋へ向かう
「みんなちょっと聞いてくれ!花澄がこの部屋で寝る事になったから布団敷かせてやってもらえるか?」
引き戸を開けて大地が大声を出すと中にいたみんなが一斉に私を見る
『突然ごめんなさいっ‥1人で寝るの怖くなっちゃって‥お邪魔させてくださいっ!』
ざわざわと部屋の中が一斉に騒がしくなる
「俺花澄の隣がいい!!」
「ノヤっさんずりーぞ!!俺も隣がいい!」
「お前らが隣だと花澄ちゃん寝れないだろ?!ここは主将と副主将で挟むしか‥」
「はいはい!静かにっ!!花澄は‥どうしたい?」
『えっ?私はどこでも‥寝かせてもらえたらありがたいよ?』
「じゃあ‥公平にくじ引きでどうだ?」
東峰さんが紙と鉛筆を持ってきてくれた
「花澄はそれでいいのか?」
大地が少し心配そうに私の顔を覗き込む
『うんっ!くじ引きってなんだか楽しそうっ!』
「よーし!!じゃあくじ引きするべ?!」
菅原さんが楽しそうに両手を上げる
おー!!!と一斉にみんなが手をあげるから私もなんだかワクワクしてくる
紙と鉛筆で番号を書いて布団をひく順番を決める
「よーし!全員引いたな?一斉に確認するぞ?」
大地の合図でみんな一斉にくじ引きを開いて中の数字を確認する
「花澄!!何番だ?!」
両端から夕と龍が私の紙を覗き込む
『えっと‥2番ってかいてあるよ!』
「くっそー!!!2番かよ!!1番と3番誰だっ?!」
私は2番だったから1番と3番の人が隣にくるみたいだけど‥誰だろう?
周りをキョロキョロと見渡すと影山君と月島君が小さく手を挙げている
「お前らかっ!!この!一年コンビめっ!!!羨ましすぎるぜチクショー!!」
「龍!!でもよく考えてみろ‥同じ部屋で寝れるんだぞ!!あわよくば寝顔も‥」
「寝顔‥」
「田中!西谷!落ち着け!場所も決まったことだし布団敷くぞー!!」