第9章 *合宿 止まらない気持ち
ふにゃっと目尻をさげて笑う菅原さん
『またお泊まり行かせてくださいね!是非私のお家も遊びに来てくださいっ!』
「そうだった!!それ!!約束な?」
『お待ちしていますっ!では‥また部活で!!』
「おう!また部活と‥合宿もよろしくな!」
菅原さんが今日も教室の前まで送ってくれるからぺこりと頭を下げて教室に入る
「花澄ー!!今日から合宿だなっ!よろしくなー!!」
『夕っ!おはよう〜!!ってわぁ!!朝から元気だねっ!』
私の後から来た夕が後ろから飛んでくる
「まあなっ!楽しみすぎるからな!」
その日は部活の時間までソワソワした夕が何回か先生に注意されていた
『ふふっ‥私もがんばらなきゃっ‥』
授業を終えて部活へ急いでいると見覚えのある後ろ姿がみえる
『おーい!影山くんっ!』
手を振りながら走っていくとこちらを振り返る
「花澄さん‥どうしたんスか?」
『ジャージっ!借りてたやつ、遅くなってごめんね!ありがとうございました!』
「急がなくて良かったのに‥ありがとうございます!」
ペコッと頭を下げる影山君
「でも‥これって‥」
ジャージを開きながら首を傾げる影山君を見てハッとする
『わぁっ!ごめんねっ!それ私のジャージだっ‥何してるんだろう〜本当にごめんなさいっ!多分今日家に持って帰っちゃったやつが影山君のやつだ‥』
申し訳なさと恥ずかしさで下を向くと笑い声が聞こえてきて影山君をみる
「ぷっ‥‥ ははは!!花澄さんって本当‥マネージャーの仕事は完璧なのにそれ以外は鈍臭いですね」
影山君がこんなに笑ってるの初めて見たかも‥!
『本当ごめんなさいっ‥』
「全然大丈夫っス!ジャージこれだけじゃないですし!」
『うう〜‥ごめんねぇ‥またお礼とお詫びさせてね!』
「じゃあ合宿最終日、花澄さん家行ってもいいですか?」
『えっ?私のお家‥?全然大丈夫だけど‥』
少し首を傾げるとニヤリとした影山君が耳元で話す
「花澄さんと2人っきりになりたいんで‥ついでにジャージももらいに行きます!」
近い距離に無意識に顔が赤くなる
『わ‥分かった!待ってるね!』
「楽しみにしてます」
そのまま2人で体育館へと入っていく