第9章 *合宿 止まらない気持ち
練習が終わって帰る時に影山君に声を掛ける
『影山くん!!今日はジャージありがとうね!』
「いえっ‥次から困った事あったら言ってくださいね?」
『うんっ!影山君もだよ〜?じゃあまた明日ね!』
「うス‥また明日‥」
更衣室で制服に着替えて外に出ると
大地とスガさんが仁王立ちしている
『??どうしたの??』
「そりゃあね?あんな秘密なんか言われたら気になるよな〜大地?」
「そうだな‥気になるよな〜スガ?」
なんだか2人とも笑ってるけどすこしこわいっ?!
『それは‥言えないのっ‥秘密は秘密!!』
ブラジャーしてくるの忘れたから影山君にジャージ借りましたなんて恥ずかしくて言えないよ
また危機感が足りないとか怒られそう‥
スタスタと歩き出すとすぐに2人が前に回り込んでくるから進めなくなる
「逃がさないよ?」
私よりもはるかに背の高い2人が私の前に立ちはだかる
『〜っ!!もうっ‥わかった‥!!言う‥からっ!』
下を向きながら言うと2人が私の近くにしゃがみ込む
『‥下着っ‥つけてくるの忘れたの‥でもバレないかなって思ってTシャツに着替えて体育館に行ったら‥その‥』
2人を見ると目を見開いて固まっている
『か‥影山君がいて‥つけてないの分かるからってジャージかしてくれたのっ‥それだけ‥!』
「ほぉ‥」
「へぇ‥」
何も言わない2人に少しホッとする
『怒ってない‥?』
菅原さんがパッと立ち上がる
「怒ってないよ〜でも‥ね?やっぱり危機感足りないよね?」
続けて大地も立ち上がる
「そうだな‥あれだけ言ったのにな?影山にバレるとはな‥」
『うっ‥やっぱり怒ってる‥』
「じゃあ‥今もこの下は何もつけてないわけだ?」
「今日一日バレるかもしれないのに‥な?花澄はやっぱり恥ずかしい思いしないと分からないか‥?」
2人がじりじりと迫ってくる
『っ‥もう次はしないように気をつけるっ!』
パッとしゃがんで2人の間をすり抜けると後ろから大地に手を掴まれる
「絶対だからな?」
耳元で囁かれてビクッと身体が震える
『っ‥はいっ』
「分かったなら良し!」
やっと大地がいつもの笑顔に戻ってホッとする
「それじゃあ帰るべ!」
『はいっ!』
菅原さんもニッと笑うから私もつられて笑顔になる