第9章 *合宿 止まらない気持ち
影山side
なんかそれって‥2人だけの秘密って感じでいいな‥
「おい影山っ!!なににやけてんだよ!!きもちわりーな!!」
「はっ?うっせーボケっ!!」
日向にそう言いながらも
俺のジャージを着た花澄さんが視界に入る度につい顔が緩んでしまう
「影山君なんか今日体調わるいんですか〜?ずっとニヤけててむしろ怖いんですけど‥」
後ろから月島が歩いてくる
「ニヤけてねーし」
「それってもしかして花澄さんが着てるジャージに関係あんの?」
へらへらと笑いながら話しかけてくるけど
眼鏡の奥の瞳は全く笑っていない
「さあな?」
その場を離れようとすると後ろからドンっと衝撃を感じる
『2人が仲良くなってくれて良かったー!!嬉しいっ!』
両手でポンポンと俺らの腰を叩く
「ったく‥誰のせいで‥」
そう言いながらも花澄さんの笑顔に月島の力が抜けた事が分かる
「おース!!って!!誰のジャージ着てんのっ?!」
スガさんが花澄さんをみて大声を上げる
「おース‥ってスガ!声でかい!花澄ちゃんも大変だな」
東峰さんも困ったように笑いながら入ってくる
「さー!揃ってるか?練習始めるべ!!‥って誰のジャージ着てるんだ?なんで‥?」
主将までもが花澄さんに話しかける
『ひみつなのっ!!』
その言葉に三年生達もピシッと固まる
ジャージ一つでこれか‥どれだけ人気あんだよ
はぁ‥と下を向くといつの間にか隣に花澄さんが来ていた
『どうかした‥?大丈夫?』
ほんとこの人は自分の事には鈍感なのに周りの事はよく見てるな‥
「大丈夫っス‥ただ花澄さんの人気すげーなって‥」
ついボソッと本音がこぼれる
『ふふっ‥何それ?人気なのは影山君の方だよ!きっとこれから影山君はたっくさんの人がファンになって、すーっごい人気が出ると思うよ!またサイン貰っとこうかな?』
キラキラと目を輝かせて言うから俺まで笑ってしまう
「それこそ何スか‥」
『だってかっこいいもん!サイン約束だよ〜!』
そう言うとまたみんなの元へ走っていってしまう
「だから反則だって‥」
見た目だけじゃなくって
全てが可愛すぎて‥反則級だ
花澄さんに釣り合う人気者に少しでもなれるようにバレー頑張んなきゃな