第9章 *合宿 止まらない気持ち
放課後
今日は少し早く終わったから久しぶりに早く部活に行けそう!
急いで着替えてコートの準備をする為にしゃがんでネットの絡まりをほぐしていると
突然後ろから大きな声がする
「あーっ!花澄さん!今日は早いですねっ!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねながら日向君がやってきた
『あっ!日向君!そうなの!今日は早く終わったし賢人さんにも会わなかったから』
元気な日向くんをみて相変わらずだな〜と下を向いて少し笑ってしまう
「ん?花澄さんの首のうしろ‥なんか虫に刺されてますよ?赤くなってる‥」
そう言うとあっという間に日向君が私の後ろにしゃがみこんで私のTシャツの襟の間に人差し指をさす
『ひゃっ!虫‥?!いつだろっ?!かゆくないんだけどな〜』
なんだかくすぐったくて変な声がでてしまった
「オイコラ!ボケ日向!花澄さんに何してんだ!」
ずかずかと大股で影山君がこちらへと向かってくる
「なっなんだよ影山〜俺は花澄さんの首に虫刺されがあるって教えてただけだからな!」
むぅっとほっぺたを膨らませながら日向君が言う
『そうなのっ‥痛くも痒くもないんだけどね‥なんだろう?』
「大丈夫スか?ちょっと失礼しますね」
『わっ?!』
影山君がしゃがみ込んで私の襟をくいっと後ろに引っ張る
「ここ‥ですね。確かに赤くなってる‥」
そう言いながら人差し指でなぞるからビクッと身体が反応して両手をギュッと握る
「なんか顔も赤くなってます?」
『そっそうかな?!』
至近距離で影山君の顔が迫ってきてボッと顔が熱くなる
「‥騒がしいんだけど‥君たち何してるの?」
気付くと後ろに月島君が立っていた
「あ?花澄さんの首に虫刺されがあるからみてたんだよ」
少しぶっきらぼうに影山君が言うと
月島君がどれどれと私の後ろにしゃがみこむ
「なっ?!赤くなってるだろ?!俺が見つけたんだからな!」
「っるさい!お前は黙ってろ!」
日向君と影山君がいい合いをしている間に月島君が襟元に指をひっかけて少しずらす
「ーっ!」
『えっ?!なになに?!なんか悪い虫だったの?!』
月島君が声もなく驚くから怖くなってくる
「‥これは‥そうですね‥ちょっとこっち来てもらえます?」
急に月島君に腕を引っ張られる