第9章 *合宿 止まらない気持ち
真剣な瞳が昨日の夜の出来事と重なってまた心臓が大きく跳ねる
『はっ‥はいっ!ありがとうございますっ!』
「うんうん!素直でいい子だね」
小さな子を撫でるような優しい手つき
菅原さんってきっと先生とか向いてるんだろうな‥なんて思う
『はわっ!いけないっ!私朝ごはんとお弁当作ってきますね!』
もう一度アラームが鳴り慌てて立ち上がろうとするとパッと菅原さんに右手を掴まれる
『っ!どうされました?』
「他の男に触られないように‥印‥つけてていい?」
『しるし‥ですか?お願いしますっ!』
ボールペンとかで何か書くのかな‥?
菅原さんが立ち上がったから何か書くものをとりにいくのかなー?なんて思ってたら
段々と菅原さんがこちらに近付いてきて目の前に立つ
『すがさん‥?』
菅原さんを見上げるけれども真剣な顔で何も答えないまま
両手で肩を掴まれてどんどんと菅原さんの顔が近付いてくる
次の瞬間
ぢゅうっ‥と私の首筋を吸い上げる
『っっ!』
突然の刺激にビクンと身体を震わせて
思わず声をあげそうになる口を両手で押さえる
「はい‥できたっ!」
満足そうな顔で菅原さんが笑う
『?ありがとうございます!』
じんじんと熱を持つ首筋を片手で抑えながら菅原さんにお礼を言って身支度を整える
菅原さんの唇が触れただけで気持ち良くって‥少しきつめに吸い上げられると昨日の夜と同じような感覚が襲ってきた
思い出すだけで顔が熱を持つのが分かる
『‥だめだっ‥考えないようにしようっ』
小さな声で言うと菅原さんは少し首を傾げて
「ごはんとお弁当ありがとうね!俺も用意したらすぐ行くわ!」
『は‥はいっ!では先にいってきますっ!』
菅原さんに敬礼して部屋を飛び出す
そのあとも朝ごはんとお弁当を作る事に集中して思い出さないように頑張った
「じゃあ行こっか?」
制服に着替えた菅原さんと家を出る
駅に着いて電車を待っている時にギュッと手を握られるから菅原さんの方を振り向くとニッと笑いながら少し恥ずかしそうに答えてくれる
「恋人のふりしてた方が多分手出されにくいから‥いい?」
『はいっ!そんな事まで‥ありがとうございますっ!』
嬉しくて私もニコっと笑い返すと菅原さんが少し赤くなる
「っ‥どういたしまして!」