第9章 *合宿 止まらない気持ち
菅原side
部活中もいつも通りだけど
やっぱり少し無理してんのがみてて分かるから辛い
それは他の奴らも同じようで
みんな心配そうに声を掛けている
それにしても月島はちょっと引っ付きすぎじゃないか?
俺たちの前では殆ど見せたことの無い優しい笑顔で談笑しているから割って入る
なんとか周りのサポートもあって部活も無事終わって
花澄ちゃんと2人で帰る
親には軽く事情を話して
帰りに電車に乗らなくて良いように学校まで迎えにきてもらった
俺の家族の前では何事もなかったかのように明るく振る舞って
みんなでワイワイとご飯を食べる
寝る用意まで全部終わって
やっと俺の部屋で2人きりになる
目の前にいる小さな身体を抱きしめる
『すがさん‥?』
「今日は‥ごめんっ!俺がそばに居たのに‥守ってやれなくて‥気付かなくてほんとごめん!」
『スガさんは私のこと守ってくれましたし謝らないでくださいっ!』
全然守れてないんだよ‥
悔しくて涙が出そうになるとギュッと抱きしめ返される
『スガさんがいなかったら私‥きっとあのまま何も出来てなかったと思います。怖かったし‥ギュッて抱きしめてくれたから落ち着けました。スガさんがいてくれて本当に良かったです!』
ニコっと笑う顔に心臓が痛む
「っ‥俺‥花澄ちゃんの事マジで大事に想ってる‥その笑顔も守りたいって思ってる‥誰にも触れさせたくない‥」
心の奥底の本音が溢れ出る
『ありがとうございます‥私はいつもスガさんに守ってもらってるし元気もらってますよ?元気のないスガさんの事、私も元気にしてあげたいって思います』
俺がいつもするように小さな手で頭を優しく撫でられる
自分が辛い時に何でここまで他人の事考えられんだよ‥
力が抜けて花澄ちゃんの肩にこつんと頭を預ける
俺の事大事におもってくれてるって言ってくれて
俺の気持ちとは違うことは分かってるけど 嬉しくて花澄ちゃんの頭を引き寄せる
「ーっ!いつか同じ想いになれるように俺、頑張るから」
俺の胸に顔を寄せた花澄ちゃんが可愛い声で優しく笑う
『ふふっ‥やっぱりスガさんの心臓の音‥安心する』
「恥ずかしいな‥音やばいよな?俺は花澄ちゃんといるとドキドキしっぱなしだよ‥」