第9章 *合宿 止まらない気持ち
学校近くの駅に着いてからも菅原さんはずっと気にかけて心配してくれる
「やっぱり‥駅員さんに言いに行った方が良くない‥?それか警察か‥」
『心配かけちゃってすみません‥でも、大丈夫です!』
これ以上菅原さんに心配かけたくないし
きっとあの人だってちょっとした気の迷いかもしれない
これ以上大事にしたら皆に迷惑がかかりそうな気がして
なんでもないフリをする
「そう‥?花澄ちゃんがそう言うなら‥無理にとは言わないけど‥とりあえず明日から電車の時間はずらそうか!今日は学校も無理したらダメだから?分かった?」
『はいっ‥ありがとうございます!』
学校に着いて菅原さんが教室まで送ってくれて頭を優しく撫でてくれる
「んじゃ‥また部活で!でも無理だったら休みなよ?」
『はいっ!教室まで送ってもらってありがとうございました!部活を楽しみに毎日頑張ってるので行くつもりです!今日は‥守ってくれてありがとうございました』
ぺこりと頭を下げると今度はワシャワシャっと撫でられる
「いつでも頼ってよ!じゃーね!」
菅原さんと私のやり取りを見ていた周りのみんながザワザワとしている
「花澄〜!おはよう!何さっきの優しそうな人?!ついに彼氏ができたのねっ?!」
私のお友達の葵ちゃんにぎゅーっと抱きしめられる
『おはよう〜!今日も元気だね!菅原さんはバレー部の先輩だよ〜!』
なんだ‥彼氏じゃないのか
と周りのみんながなぜかホッとしている
「なーんだ!まぁでも花澄に彼氏ができたらちょっと寂しいかも!‥ってなんか元気ない??大丈夫?」
心配そうに顔を覗き込まれるから慌てて否定する
『元気だよっ!大丈夫!』
ブンブンと頭をふると
「そう‥?まぁそう言うならそう言う事にしとこっか!」
と言ってくれる
葵ちゃんに言うときっとすっごい怒ってその人探しに行きそうだし
心配かけたくないから内緒にする
授業もあるし、休み時間は一緒にいろんなお話をして
気が紛れたから良かった
放課後、部活へ行こうと歩いていると突然後ろから声を掛けられる
「花澄ちゃん!」
『はいっ?あっ!賢人さん!どうされました?』
こないだお名前を教えてもらった用務員さんだ
「見かけたからつい!」