第9章 *合宿 止まらない気持ち
月島side
体育館の隅でストレッチをしていると珍しく影山がこっちに歩いてくる
何かイライラしたようなすごい目付きだけど‥何?
「オイ‥お前花澄さんに何か用事ないか‥?」
「は?何急に?なんか怖いんだけど?」
影山を睨みながら見上げると
「保健室で‥サッカー部のやつと2人きりで‥手当してるから、、その‥「そーゆう事なら早くいいなよ」
保健室で2人きりとか絶対やばいやつでしょ
何ノコノコと帰って来てんの?!
急いで立ち上がり走っていく
「山口!保健室行ってくるからキャプテンに伝えてて!」
「え?!ツッキー?!」
何にもされてないといいけど‥
保健室の前に着いて ノックする事もせず勢いよく扉を開く
目に飛び込んできたのは
サッカー部のやつに顎を掴まれてギュッと目を瞑ってる花澄さん
今にも唇が触れてしまいそうな距離までそいつが迫っている
そこで目瞑ったらダメでしょ‥
カッと頭に血がのぼる
「失礼しまース!あれ〜?うちのマネージャーに何しようとしてるんですか〜?」
殴ってやりたいくらいだけど
花澄さんにそんなとこ見せたくないし困らせたくもない
『月島君っ?!どうしたの?!月島君も怪我したのっ?!』
俺が怪我したと思ったのか心配そうな顔をして駆け寄って来てくれる
「僕はちょっと手首、予防でテーピングしてもらいたかったんですけど花澄さん 中々戻ってこないから心配で きちゃいました」
心配かけないようにそう伝えて
さっきまで花澄さんに触れてた手をガッと握る
「来て正解でしたね‥僕のマネージャーに手出さないでもらっていいですか?」
笑顔で伝えるけれども全く目が笑っていない事にそいつも気付いているはず
これ以上は無理だと思ったのかそいつがガタッと立ち上がる
『大丈夫ですかっ?!送って行きましょうか?!』
支えにいこうとする花澄さんの手を掴んで止める
「ありがとうございました!おかげさまで大丈夫そうです!じゃあまた!ガードマジで固いっすね!」
チャラチャラとした笑顔でそう言うと少しぎこちない歩き方で出て行った
きょとんと首を傾げている花澄さんをみて一気に力が抜ける
危なかった‥まじで間に合ってよかったっ‥