第9章 *合宿 止まらない気持ち
『大丈夫ですかっ?!送って行きましょうか?!』
慌てて支えにいこうとするけれど月島君に止められる
「ありがとうございました!おかげさまで大丈夫そうです!じゃあまた!ガードマジで固いっすね!」
そう笑うと頭を下げて行ってしまった
ガード‥?何をガードしてるんだろう?
首を傾げていると
ハァ‥と月島君が前屈みになって私の肩に両手を置いて項垂れる
「はー‥影山に聞いて急いで来たけど‥間に合ってよかったっ‥」
珍しく月島君が余裕のない顔をしている
『大丈夫‥?こっちまで来てもらってごめんね!』
月島君の顔を覗き込む
「本当ですよ‥花澄さんは俺に心配ばっかかける‥」
『えっ!ごめんね!心配してくれたの?!私は怪我してないから大丈夫だよっ?!』
焦ってわたわたしているとプッと月島君が吹き出した
「そんなとこも可愛いんですけどね‥とにかく、無事でよかった‥キスされてませんよね?」
『キ‥キス?!なんで?!してないよっ?!』
突然の言葉にビックリして顔が熱くなる
「ふっ‥かわいい‥キスの言葉だけで赤くなるなら本当にしたらどうなるんでしょうね?」
急にグッと月島君のお顔が近くなって
真剣な目で見つめられるからドキッとする
『つ‥月島君?テーピングは‥』
どんどんとお顔が近づいて来て
唇が触れてしまいそうなくらい距離が近くなる
「ツッキーー!大丈夫?!ってええっ?!お取り込み中?!」
バーンと突然保健室の扉が開いて山口君が大声を出す
「‥山口うるさい‥」
今日はたくさん人がやってくるな
『山口君までどうしたの?!』
怪我がないか山口君をペタペタと触って確認していると月島君に手首を掴まれる
顔を真っ赤にして山口君が口を開く
「あのっ‥キャプテンが花澄さんの様子見て来てほしいって‥手が離せないから俺が来ましたっ」
みんなに心配かけちゃったな
『山口君まで‥ごめんね!じゃあ月島君も体育館行ってテーピングしよっか?』
「せっかく2人っきりになれるチャンスだったのに‥」
月島君が文句を言いながら歩いてくる
『じゃあ3人で戻ろっか!』
「はいっ!」
「山口声でかい‥」
「ごめんツッキー!」
この2人はまたいいコンビなんだろうな
ふふふと笑いながらついていく