第9章 *合宿 止まらない気持ち
『影山君って素直で可愛いね!』
「っ‥あ‥あの‥当たってる」
何が当たってるんだろうか?
『当たり‥?』
肌に直接触れている背中がどんどん熱くなってくる
「くそっ‥鈍感すぎるんすよ‥」
突然抱きしめていた両手を前に引っ張られて
さらに影山君の背中にギュッと抱きつく形になる
『わっ!ごめんねっ!大丈夫?!』
離れようとするけど、両手を影山君に掴まれたままで動けない
『あれ‥影山君?どうしたの?』
「俺‥花澄さんの事 誰にも渡したくないんで‥俺の事好きになってくれるまで頑張ります」
『えっ?私影山君の事とっても好きだけどな??』
「っ!そういう事じゃないんすよ‥まぁいいです」
『そういう事じゃないの‥?あと、そろそろ離してもらってもいいかな?影山君も重たいよね』
後ろに下がろうとするけどやっぱり影山君の前で両手首を掴まれたままで動けない
『影山君‥?』
「あともう少しだけ‥このままでいいスか‥?」
『えっ?う、うん!いいよ!影山君がしんどくないなら!』
なんだか影山君がこんな事言うのは意外だったけど
何か悩んでる事とか落ち込んでる事とかあるのかな‥
なんとか励ましてあげたくてよりギュッと抱きしめる
『影山君はとっても頑張り屋さん‥でもそれで身体も心も疲れちゃうかもしれないから、私で良ければいつでもお話し聞くから無理しないでね?』
「あざっす‥花澄さんのそんなところに皆んな惚れるんでしょうね」
『えっ?!なんて?』
聞き返した時に保健室をノックする音が聞こえる
『わっ!ビックリした!私ちょっとみてくるね!影山君はテーピング終わったからお洋服着て大丈夫だよ!』
パッと手を解放されて
保健室の入り口へと向かう
扉を開けるとサッカー部の子が立っていた
『どうしましたか?』
「あっあの‥捻挫しちゃって‥保健の先生いますか?」
『わっ!それは大変ですね!保健の先生帰っちゃってるから‥私でよければ手当しますよ?』
「マジっすか!助かるー!ありがとうございます!」
肩を貸してあげて一緒にソファまで歩く
『影山君、私この子の応急手当だけして戻るから先に帰って大地に伝えててもらってもいいかな?』
そう伝えると私の横を通り過ぎてサッカー部の子の前に立つ影山君