第9章 *合宿 止まらない気持ち
菅原side
横向きで眠っているから今にも溢れ落ちそうな谷間がみえる
ショートパンツから伸びる白い足
ずくん とまた反応する俺自身
これ以上みてたら我慢できない気がして
慌てて目を逸らしてベッドへと潜りこんだ
「‥‥寝れねぇ‥‥」
結局その日は朝まで寝れなかった
カーテンから光が差し込んできた朝方
もぞもぞと布団が動き出すから
咄嗟に寝たフリをした
すぐに部屋から出て行くのかと思って目を瞑っていると
少し遠ざかった足音が どんどんと俺の方へ近付いてくる
え‥?こっちきてる?
その瞬間ふわっと頭を撫でられる
『ふふっ‥よく寝てる 昨日の試合疲れたんだろうな〜かわいい』
猫でも愛でるように優しく何度も撫でられて
思ってもいなかった事に身体が硬直する
『昨日の夜はなんだか気持ちよくってドキドキしたけど‥なんだったんだろ‥いけない!時間なくなっちゃう‥!』
そういうとパタパタと去っていってしまった
「んだよっ‥気持ち良かったって‥可愛すぎるのはそっちじゃん‥」
まさか寝ている間に花澄ちゃんがこんなことして行くなんて思ってもみなくてドキドキする
起きてて良かった‥
暫くしてリビングへ顔を出すと
制服姿の花澄ちゃんがいつも通り髪を高くに結って
エプロンをして朝ごはんを作ってくれている
『スガさんっ!おはようございます!ご飯もう出来ますよ!』
ニコッと笑ってこちらを振り返る
かっ‥可愛い
昨日の夜はあんなに‥
花澄ちゃんの溶けそうな顔と声を思い出すと顔が熱くなってきた
『スガさん?ちょっと暑くなっちゃいました?冷たいお茶いれときますね?』
はいっ!と最高の笑顔でお茶を置いて
お弁当を作り始める
よくみると俺の弟と父親の分までお弁当が並んでいる
『お母さんのお昼は冷蔵庫にいれてますねっ!』
俺の母ちゃんが堪らず抱きしめている
すげーな‥人の為に何でも出来る優しくて一生懸命なところにも惚れたけど
ほんとに一緒にいればいるほどにそういうところがたくさん見えて来て
俺の好きがとんでもない勢いで加速していく
神様‥どうやったらこの子を手に入れられる?
武田先生の影響か
そんなポエミーな事を考える朝