第8章 *新しいチーム 始動
バガァァアン!!
物凄い音がして
日向君の顔面に東峰さんのスパイクが直撃する
「ぎゃぁぁあ!!!」
「うわぁあああ!!」
龍と東峰さんが叫ぶ
ドデーンと日向君が後ろに倒れるので慌てて駆け寄る
『わわっ!!大変っ!!日向君っ?!』
横にしゃがみ込んで顔を覗き込む
おでこを押さえた日向君の目には涙が滲む
「‥っ う〜っ!」
『大丈夫〜??冷やすの持ってこようか??ちょっと休憩してた方が‥』
日向君のおでこをさするとガバっと日向君が起き上がる
「あっ‥ダ‥ダイジョウブデス!!!」
「本当に大丈夫か?!」と大地も心配そうに駆け寄る
「大丈夫です スミマセン!」
『念の為私冷やすやつ持ってくるね!日向君無理しちゃダメだよ?』
「ごめんな!頼む!」
私が体育館を出る時に
とっても怒った顔をした影山君とすれ違う
これは‥影山君、怒ってるやつだろうな
きっと日向君は憧れのエースと試合が出来て嬉しい反面
身長もあってパワーもある
正々堂々と正面突破を出来る東峰さんに嫉妬‥してたんだろうな‥
悔しそうななんとも言えない顔で東峰さんを見上げる日向君の姿を思い出す
あの2人大丈夫かな‥
早足で職員室へ向かう
先生に事情を話して保冷剤をもらってタオルに包む
急いで体育館へと戻る
体育館に入った途端に日向君のスパイクが決まって
周りの空気が変わる
なんだか影山君と日向君の様子も変だ
「お前はエースじゃないけど!そのスピードとバネと 俺のトスがあれば どんなブロックとだって勝負できる!」
『!』
影山君が日向君の方に歩いて行く
「エースが撃ち抜いた一点も お前が躱して決めた一点も 同じ一点だ」
エースに憧れて嫉妬する日向君にやっぱり影山君は気付いてたんだ‥
「エースって冠がついてなくても お前は誰よりも沢山の得点を叩き出して!だからこそ敵はお前をマークして! 他のスパイカーはお前の囮のおかげで自由になる!
エースもだ!」
「ね!?」
ぐるりと振り返って龍に問いかけると
いきなり話を振られた龍がビックリしながらも
「はっ!?おうっ!? おうおう そうだぞ!お前の囮があるのと無いのとじゃ 俺達の決定率が全然ちがうんだぞ!」
うんうんと後ろで大地も頷いている