第8章 *新しいチーム 始動
潔子さんのその言葉に思わず潔子さんにギュッと抱きつく
「とりあえず良かったね。私達は私達が出来ること頑張ろうね」
優しく抱き締めてくれるからうんうんと頭をふって答える
しっかりしなくっちゃ!
ノートを持って立ち上がる
「えらいえらい」とまた頭を撫でてくれる
憧れの潔子さんはどこまでも優しくて美しい
一体どんな試合になるんだろう?
ワクワクとドキドキで胸が騒がしかった
試合が始まって
菅原さんのあげたボールを町内会のお兄さんがアタックを決める
思わずパチパチと拍手する
「!菅原さんの速攻っ‥!」
日向くんはワクワクとした様子だ
すごいでしょー!と思わず言いに行きたくなっちゃうけど
先に大地が私の言葉を代弁するように話し出す
「そらお前スガだって歴としたセッターだからなっ」
腰に手を当てて嬉しそうに話す大地の姿が
子供が自慢しているようで可愛かった
そんな町内会チームに見惚れていると
ドンピシャな影山くんのトスと日向くんのすごいジャンプで
とんでもなく早い速攻が決まる
流れの速さについて行くのが精一杯だ
トスを上げる菅原さん
ブロックを拾う夕
フォローに走る大地
そして東峰さんの姿
みんなの姿にあの日の記憶が蘇る
伊達工のブロックにことごとく東峰さんのスパイクが叩き落とされたあの試合
学校に戻って軽く練習をした後皆んなで体育館の掃除をしていた
私は窓の戸締りをしていたけれど体育倉庫から大きな物音がして駆けつけたら 夕が悔しそうな顔をして話し出した
「ブロックのフォロー‥全然できなかった‥!」
『夕‥そんな事っ「なんでだ!」
私が話しかけようとした途端に東峰さんの聞いたことのない大声に遮られてビクっとする
「なんで責めない?!俺のせいで負けたんだろうが!お前がいくら拾ったって スパイクが決まんなきゃ意味ないんだよ!」
「旭!」
大地が叫ぶ
何か言いたいのに
大声に、東峰さんの気持ちに圧倒されて言葉がでない
「‥意味ないってなんですか‥」
今まで聞いていた夕が話しだす
ぎらりと目を見開いて話すその姿に夕が怒っているのがすぐにわかった
「じゃあ何で最後トス呼ばなかったんですか 打てる体制でしたよね」
ピリピリとした空気に耐えきれず2人の間に入ろうとするけれど
菅原さんが慌てて入ってくる