第8章 *新しいチーム 始動
結局体育館まで運んでもらって、お礼を言う
『ここまで運んでもらってありがとうございました!今日は宜しくお願いします!』
「お役に立てて良かった!俺たちの活躍する姿みててね〜」
「いいところみせちゃうよ〜って懐かしい〜」
とそれぞれが体育館へ入っていく
運んでもらったお水をセッティングしていると横に山口くんと月島くんがやってきた
「花澄さん、あの人達と知り合いなんですか?」
月島くんが私の横にしゃがみ込む
『ううん!今初めて会ったよ!お水運んでくれたの!』
「あいかわらず人たらしは健在ですね‥」
そう呟くと腰に手を当てて立ち上がる
「それにしても町内会っていうからもっとオッサンかと思ってたのに‥」
「俺もー」と山口くんも驚いた様子
私も立ち上がるとこそっと月島くんが屈んで私に耳打ちする
「手、出されないでくださいよ?なんかあったら俺に言ってくださいね」
それだけ言うと山口くんと歩いて行ってしまった
『手を出される‥?』
うーん?と考えていたら烏養さんの大きな声が体育館に響く
「よーし そろそろ始めるぞー!」
試合だから日向くんが嬉しそうにコートへ走っていく
私もスコアをノートに書くためにコートの横のベンチへ向かう
その途端日向くんの大声が体育館に響く
「あっアサヒさんだ!」
東峰さん?!
持っていたノートを落としてしまって慌てて拾う
戻ってきてくれたのかな?!
私がみに行くよりも前に烏養さんが大声で叫ぶ
「なんだ遅刻か ナメてんのか ポジションどこだ!」
とめにはいる暇もなく
「人足んねえんだ さっさとアップとって こっち入れ すぐ!」
どうしようっ‥烏養さんはもちろん東峰さんの事情は知らないし‥
私がワタワタとしていると
下を向きながら東峰さんが体育館の入り口から入ってきた
夕と東峰さんの間に沈黙が流れる
あぁ‥前の仲良かった2人にどうか‥どうか戻りますように
両手を固く握りしめる
「お前らの方からセッター1人貸してくれ」
烏養さんの言葉に 影山くんと菅原さんが振り返る
少しの沈黙の後
菅原さんが町内会チームの方へと歩き出した
「スガさん?!」
龍がびっくりして声を上げる
影山くんが一歩踏み出して低い声で問いかける