第8章 *新しいチーム 始動
菅原side
この授業が終わったら楽しみにしていたお弁当の時間
まさかお弁当まで作ってくれてたなんて思わず、めちゃくちゃ嬉しかった
花澄ちゃんの手作り弁当か‥
やばいやばい、顔がニヤケそう!
昨日の夜は幸せすぎたし
朝ごはんまで食べれて
それでまた泊まってくれるなんて‥こんな幸せな事あっていいの?!
ニヤケそうな顔を
考えているふりをしてシャープペンシルを握った手で隠す
やっと授業が終わって昼食の時間になる
ドキドキとしながらふたをあける
彩りが豊かなおかずに、ガッツリ食べれそうな肉巻きおにぎりが詰めてあった
あの短時間で作ったとは思えないクオリティに思わず言葉が漏れる
「すげ〜‥さすが毎日作ってるだけあるな‥」
ブロッコリーの横にタコさんウインナーまである
弁当まで可愛いとか!
「お〜!もしかして花澄の弁当か?」
どすっと前の空いている席に大地が腰掛ける
「おお〜よくわかったな!」
「そのタコさんウインナー、花澄が好きでよく作ってたの見てたからさ!それより、昨日はお泊まりしたって聞いたけど‥」
ですよね、そこ気になりますよね
「そうなんだよ〜うちの母ちゃんが泊まってけー!って勢いすごいもんだから」
「そうかそうか!スガの母ちゃんよく喋るもんなー!」
笑ってるけど、なんだか少し笑顔がぎこちないのがわかる
「お泊まりしたけど‥何もないから‥心配すんな!」
大地の背中をバーンっ!と叩くと笑顔が少しほぐれた気がした
「いや‥そうだよな‥なんかごめんな!お弁当たべるか!」
雑念を振り払うように大地が頭を振って
豪快にお弁当を食べ始める
まぁ‥何もしてないっていえば嘘になるけど‥でも、あれはセーフだよな?と自分に言い聞かせながら俺も肉巻きおにぎりを頬張る
うんまっ‥
俺、まじで幸せ‥
いっつも幼馴染の大地が羨ましくて仕方がなかった
でも今だけは‥少しだけでいいから
優越感に浸らせて
少しの罪悪感と少しの優越感
最後の一口まで味わってお弁当を食べ終える
「ふー!ご馳走様でした!」
2人で手を合わせる
「さー!あと2時間頑張って、今日も部活頑張んべ!」
両手をあげて伸びをする
「おう!そうだな!」
大地も伸びをして 昼休みが終わった