第8章 *新しいチーム 始動
ブブブブ‥
携帯のアラームが朝を知らせる
今日は菅原さんのお母さんにお願いして、朝ごはんも作る事になっていた
眠たいけど‥そろそろ起きなくっちゃな‥
あったかい何かに頬を擦り寄せる
あれ‥なんだかあったかいな‥?
いつも抱きしめている抱き枕とは違う温もり
重たい瞼をひらく
え‥私‥えっ!?
布団で1人で寝ていたはずなのに、気付くと菅原さんの腕の中だった
もぞもぞと抜け出そうとするけれど、しっかり抱きしめられていて抜け出せない
抱きしめられている腕は思っていたより逞しい筋肉がついていて
顔を寄せていた菅原さんの胸板は厚い
話していると優しくってお母さんみたいに包み込んでくれる菅原さんだけど
自分との体格の違いを感じてドキドキする
最近こうやって胸がドキドキするのは何でだろう‥?
いつもは綺麗にしてあるのに、寝癖がついたグレーの髪
初めてみる菅原さんの寝顔に顔が熱くなるのがわかる
両手で顔を覆っていると
くくくっ‥と笑いを堪える声が聞こえる
『スガさんっ?!起きてたんですか?』
上を向くと菅原さんがニヤリと笑う
「うっすら目を開けてみてたらさ、表情がコロコロ変わるもんだから可愛くて」
『え〜もうっ!恥ずかしいじゃないですか!教えてくださいよ〜』
「ごめんごめん」
とまだくつくつと笑ってる菅原さん
『そっそんな事より‥私が菅原さんのベッドに入っちゃいましたよね‥?』
「花澄ちゃんのえっち」
口元に手を当ててニヤニヤとしてる
『!ち、ちがうんですっ!おトイレに行って寝惚けてたみたいで‥おうちでもベッドで寝てるからつい‥』
恥ずかしくてわたわたとしているとついに菅原さんが吹き出した
「あ〜ほんとにもういちいちかわいいなっ!ごめんごめん!わざとじゃないのは分かってたよ?‥でも次俺のベッドに入って来たら我慢しないからね?」
ニコっとウインクされてなぜかまたドクンと心臓が大きく跳ねる
『それはどういう意味ですか‥?』
首を傾げるとむくっと菅原さんが起き上がる
「それは、また教えてあげる」
まだベッドに座っていた私の腕を菅原さんが引っ張ってくれる
「そういえば朝ごはんも作ってくれるんだってね?」
本来の目的を思い出してハッとする
『はい!』
「んじゃリビングいこっか?」