第3章 一年後 始まり
30分くらい経ったかな‥
まさか活動停止なんて事ないよね?
大地は大丈夫かな?
悶々と考え込んでいるとやっと大地が帰ってきた
『大地っ‥大丈夫だった?!』
急いで駆け出したから足がもつれて
大地の胸元に飛び込む形になってしまった
『わぷっ?!』
バランスを崩しそのまま大地に抱きつく
ピシっと一瞬固まってから
「花澄大丈夫か?」と肩を持ち顔をあげさせてくれる
勢いよく顔面から飛び込んだから少しおでこと鼻がじんじんするけど
『うん!大丈夫!』と返事をした
教頭先生の方は
幸い何もお咎めなしで謝罪もいらないというので一安心
でも何もなかったことにしろって言われてみんな黙り込む
‥私もつい口を滑らさないように気をつけなきゃ!
それから大地が話し出そうとすると、また影山君と日向が言い合いをはじめる
大地、さっきからだいぶピリピリしてたけどそろそろ怖いモードの大地に突入しちゃうんじゃないかとソワソワする
そしてついに温厚な大地が怖い大地さんになってしまった
こうなると私達も止められないのでそーっと龍と菅原さんと3人で後ろに下がる
「どんなに優秀な選手だろうが 一生懸命でヤル気のある新入生だろうが 仲間割れした挙句 チームに迷惑をかけるような奴はいらない」
そう告げると2人に入部届をつきつけて ポイっと体育館の外へ放り出してしまった
「互いにチームメイトだって自覚するまで部活には一切参加させない」
バンっ!と扉を閉めた
外からは2人の悲痛な叫びが聞こえてくる
『‥いいの?せっかくの新入生なのに?』
シュンと大地を見上げるとぽんぽんと頭を撫でられる
「花澄はそんなに落ち込まないの!少し反省してもらうだけだからさ」と言って外にいる影山くん達と話にいってしまった
まだ下を向いていると次は龍と菅原さんに頭をくしゃくしゃっと撫でられる
「だーからそんな顔しないの!辞めさせるわけじゃないんだしさ!あいつらだって何とかして戻ってくるべ」
むにゅっと菅原さんにほっぺを手ではさまれる
『むぅ‥わかりまひた』
「ワハハ!そんな挟まれても可愛いのかよ!」と龍が吹き出す
2人と話してると少し大丈夫な気がしてきた