第3章 一年後 始まり
菅原side
影山と日向が言い合っていると騒がしさを感じ取ったのかいつの間にか体育館の入り口に教頭が立っていた
やべ!と思っていると急に花澄ちゃんが教頭先生の前に立って何か言い訳をしようとして顔を真っ赤にして困っている
『あっあの!!喧嘩じゃなくて!!えっと、、、』
俺が助けに行こうとするより早く
サッと大地が花澄ちゃんをこちらに移動させて対応している
さすが主将、俺が助けたかったんだけどな〜
すると大地が
「喧嘩!?まさか!切磋琢磨ってやつですよっ なっ?」とこちらに話しかける
俺が大きく頷くと、小さな顔をぶんぶんと大きく縦にふって頷く花澄ちゃん
田中が影山達を説得しようとするも2人は全く聞いていない
『どうしましょう?!スガさん。。』
と潤んだ瞳で見上げてくる
いちいち可愛いんだよな〜
一つため息をついてから影山達に話しかける
「おい!やめとけって!」
俺の声も全く届いてないようで
影山は高くボールをあげて、去年はしていなかったジャンプサーブをうつ
はやっ!!!あれはとれねーかも!!と思いふと隣を見ると
キラキラした瞳で影山を見つめる花澄ちゃん
心に思ってる事が溢れ出したのか
小さな声で
『はわー!!すごい!!』と呟いている
かっこいいとでも思ってるのか
ほんのりと耳まで赤く染まっている
俺も花澄ちゃんにこんな瞳でみつめられたい
同じセッターとして影山には負けたくないと心の中で決意した
ボッ!!!!
すごい音がした方を見てみるとなんと教頭のかつらがとんで、大地の頭に乗っかっている
大地がスッととるとそれを素早く花澄ちゃんが精一杯背伸びして教頭の頭にお返ししていた
驚いている様子を見ると花澄ちゃんは気づいてなかったのか、、
大地が教頭に連れられて行ってしまった後
追いかけようとする花澄ちゃんを田中がとめる
手は、、掴まなくていいけどな、、とこんな小さな事にも嫉妬してしまう俺
すると大きな目にうっすら涙をためて俯いているのでつい頭をくしゃくしゃと撫でる
「大丈夫だべ!」と笑顔で言うと
天使の笑顔で微笑み返される
泣き顔もめちゃくちゃ可愛いけど、俺はやっぱり笑顔が見たい