第8章 *新しいチーム 始動
菅原side
放課後
「部活部活〜♪」
着替えを終えて体育館へ入ると 日向と影山
そしてボール拾いをしている花澄ちゃんの後ろ姿
いつも高めの位置に髪をひとまとめにしているから
綺麗なうなじが見えて少しドキッとする
「おース!なおちゃんさっきはびっくりしたべ?大丈夫だった?」
ドキドキとする気持ちを紛らわすように明るく声を掛ける
『スガさん!さっきは有難うございました!びっくりしましたけど、大丈夫です!』
「なら良かった〜!あいつ、可愛い女の子大好きでさ〜バレー部のマネージャーに会わせろってうるさくて!」
良かった、普通に話せてる
そう思いながらバレーボールを掴んだ時だった
『スガさん!指、どうしたんですか?大丈夫ですか?』
いきなり手首を掴まれて心臓が飛び出しそうなほどドキッとする
手‥相変わらずちっさくてかわい‥
って違う違う!
「へっ?!あぁ、これ?実はさ〜今うちの母ちゃん腕骨折しちゃってて夜ご飯作ってたら包丁で切ったってわけよ!でも全然ちょびっとだから気にしないで!」
これ以上密着されると顔が赤くなっちゃいそうだしな‥と
その場から離れようとすると今度は両手でぎゅっと手首を掴まれる
「っ!?」
またドキッと心臓が跳ねる
『痛かったですね‥でもちょびっとで良かったです‥お母さんも大変ですよねっ‥あの、私で良かったら治るまでご飯作りにいきますよ!』
両手首を掴まれて、上目遣いで見つめられて
嬉しすぎる提案にもう気持ちが抑えきれなくなって、自分でも顔が赤くなってるのがわかる
俺の家にきてくれて‥ましてや花澄ちゃんの手料理が食べれるなんて‥最高すぎるよね?
でも確かお兄ちゃんと二人暮らしだから夜ご飯は花澄ちゃんが作ってるって言ってたような
めちゃくちゃ嬉しい気持ちを抑えて返事すると
『お兄ちゃん、今一週間くらい出張に行ってていないんです!私も1人でご飯食べるの寂しいんで、良かったら作りに行くので一緒に食べてもいいですか?ご迷惑ならやめときます!』
そう言いながら頭を下げる花澄ちゃんの顔を覗き込む
「迷惑なんてとんでもないっ‥!じゃあ‥お願いしてもいいのかな?」
1人で食べるの寂しいって言ってるし‥ここは甘えていいよな?